東京カレッジ研究者 科研費(研究活動スタート支援)に採択 - 東京カレッジ
研究関連

東京カレッジ研究者 科研費(研究活動スタート支援)に採択

東京カレッジのEvan KOIKE特任助教、David TILTポストドクトラル・フェロー、Anna WOZNYポストドクトラル・フェローが、日本学術振興会の2024年度科研費(研究活動スタート支援)に採択されました。

Evan KOIKE特任助教のプロジェクトは、“Fatherhood, Gender Roles, and Fertility Rates in Japan’s Rural 'Miracle Town'”(父性、ジェンダー役割、出生率―日本の「奇跡の町」で)です。

研究概要:日本の低い出生率に歯止めをかけ、社会のジェンダー平等を進めるうえでカギとなるのは、父親の育児参加だ。人口問題とジェンダー不平等は、日本に限らず世界中のポスト工業化社会の未来に大きく影響する。そうした問題にどう対処すべきか洞察を深めるために、本研究は岡山県奈義町の父親たちの活動を調査する。奈義町は、出生率を日本国内でトップクラスに引き上げた「奇跡の町」と呼ばれている。本研究はコミュニティ空間や家庭を対象に民族誌的フィールド調査を行なうとともに、住民や町の職員にインタビューを行ない、次のような問いを投げかける。奈義町では、親、特に父親の日常の行動がジェンダー役割をどう形成してきたのか。奈義町の人口動態は国の人口動向とずいぶん違うが、そこに父親たちの行為がどう関係しているのか。

David TILTポストドクトラル・フェローのプロジェクトは、“A Global Investigation of Export Control Legislation and Universities: How are University-Developed Military Technologies Affected by Recent Reform?”(輸出管理法と大学に関するグローバル研究―近年の改革は大学で開発された軍事関連技術にどう影響するのか)です。

研究概要:大学で行われる軍事技術関連研究への資金提供が世界的な問題になっている。本研究では、デュアルユース技術に対する現行の法的規制は輸出阻止に有効であるのか否かを検討する。そうした法的規制は研究者を保護するのか、それとも学問の自由を制限するものとみなされているのか。大学と軍はつねに複雑な関係にあったし、今もそうである。大学が近年開発した技術(ドローン技術の進歩など)はことに議論を呼んでいる。日本、英国、欧州連合(EU)、米国、カナダはいずれも2021年以降、新たな規制や政策を定め、デュアルユース技術の国際移転条件をさらに厳しくするか明確にしている。本研究はこのテーマへのアプローチとして、軍事技術と大学に関する法的枠組みについて比較研究を行うと同時に、大学の研究者や管理職へのインタビューで得たデータをもとに、その法的枠組みがどのように運用されているかを明らかにする。

Anna WOZNYポストドクトラル・フェローのプロジェクトは、“Gendered Standards and Reproduction of Inequality in Japanese 'Marriage-Hunting'”(日本の「婚活」に見られるジェンダー化された基準と不平等の再生産)です。

研究概要:「婚活」と呼ばれる結婚支援サービスがますます活況を呈している。これは、結婚を望む男女に出会いの場を提供し、日本の人口減少をくい止めるものとされている。本研究のねらいは、さまざまな婚活支援サービスが、社会的不平等と排除を再生産する文化的メカニズムとして機能している実態を明らかにすることにある。特に、婚活市場が階級化・ジェンダー化された昔ながらの日本的家族観をいかに継承するものであるかを検討し、婚活市場が個々のサービス利用者に及ぼす長期的影響を探る。

「科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)は、人文学、社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる『学術研究』(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする『競争的研究資金』であり、ピアレビューによる審査を経て、独創的・先駆的な研究に対する助成を行うものです。」(日本学術振興会公式ウェブサイトから引用)


TOP