Maria TELEGINAポスドクフェロー、赤藤詩織特任助教 科研費(若手研究)に採択
ポスドクフェローMaria TELEGINAと赤藤詩織特任助教の研究プロジェクトが、日本学術振興会の2021年度科研費(若手研究)に採択されましたのでお知らせします。
ポスドクフェローMaria TELEGINAは、"Time and Space in Contemporary Japanese through Comparative Investigation of Japanese and English Mental Lexicon Structures and Strategies of Temporal and Spatial Description"(日本語と英語のメンタルレキシコン構造と時空間の描写パターンの対照分析による現代日本語における時間と空間)というプロジェクトが採択されました。
空間と時間は、人間の知覚の中核を成す概念です。私たちは気づかないうちに、常に空間的・時間的な用語を使って考えたり話したりしています。しかし、既存の研究の文脈では、現代日本語の時間と空間の概念はほとんど知られていません。本プロジェクトでは、認知言語学の枠組みでテキストや実験データを分析することにより、英語と日本語のメンタルレキシコン構造と時空間の描写パターンの対照分析という2つの領域を並行して調査していきます。このような研究方法により、日本語のメンタルレキシコンの時空間領域の普遍的および文化的特徴を検出し、以前の研究で提案した空間的および時間的描写の新しい類型をさらに発展させ、日本語のメンタルレキシコンの他の基本的領域を調査するための環境を構築することができます。
赤藤詩織特任助教は、”Beyond work-life balance: A feminist anthropological approach to gender equality" (ワークライフバランスをこえて:フェミニスト人類学的アプローチによるジェンダー平等への考察) というプロジェクトが採択されました。
「ワークライフバランス」という言葉があるように、これまで私たちは「仕事」と「暮らし」を別々のものとして捉え、そのバランスを取ることを目指してきました。しかし、コロナウイルス禍は、この2つを一瞬にして混じり合わせてしまいました。在宅勤務の普及は、ワークライフバランスという概念の根底にある「仕事」と「暮らし」の分離の限界を私たちに考えさせることになりました。本研究では、現代日本社会において、女性化された日常生活の領域で培われた実践と価値が、男性化された公的空間や政治的な仕事の実践や価値をどのように形成しているかについて明らかにします。私的領域を多面的な価値生産の場として解明することで、「ワークライフバランス」をこえて、仕事と暮らしそのものの境界線を曖昧にし、フェミニスト人類学的アプローチからジェンダー平等を考察します。
「科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)は、人文学、社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる『学術研究』(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする『競争的研究資金』であり、ピアレビューによる審査を経て、独創的・先駆的な研究に対する助成を行うものです。」(日本学術振興会公式ウェブサイトから引用)
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