出版記念会:「キーウの遠い空-戦争の中のウクライナ人」(講師:Olga KHOMENKO氏) - 東京カレッジ

出版記念会:「キーウの遠い空-戦争の中のウクライナ人」(講師:Olga KHOMENKO氏)

日時:
2024.06.28 @ 15:30 – 16:30
2024-06-28T15:30:00+09:00
2024-06-28T16:30:00+09:00
出版記念会:「キーウの遠い空-戦争の中のウクライナ人」(講師:Olga KHOMENKO氏)
終了しました
Zoomウェビナー
開催日時 2024年6月28日(金)15:30-16:30
会場

Zoomウェビナー(登録はこちら

言語 英語
要旨

2023年7月25日、中央公論新社からホメンコ氏の著書『キーウの遠い空─戦争の中のウクライナ人 』が出版された。ウクライナ戦争を独自の視点でとらえた一冊である。

この本は、ホメンコ氏がウクライナで体験した戦争や、家族、友人、元教え子から聞いた話に基づいて執筆された。ホメンコ氏は2022年の初めに日本のメディアの取材で、ウクライナの歴史や文化に関するインタビューを受けたが、その際の質問が、ウクライナの歴史に関する知識をあまりにも欠いていたため、インタビューに応じる代わりにウクライナ人の声を届けるために日本語で本を執筆することにした。

ウクライナ人にとって、2月24日は、単に戦争のはじまった日付という問題ではなく、隣国と共有してきた歴史という側面で言うと、もう戻ることのできない地点なのである。これは、1654年にウクライナがロシアと協定を結び、ロシア帝国の一部となって以来350年の歴史の過程を再考し、精神的な分離について考える問題である。ウクライナ人が、初めて自分たちの物語と歴史の語り手となったのである。本書の最終章では、第二次世界大戦への日本の参戦によって形成された現代日本における「平和」と「戦争」に関する考え方と、この歴史教育が日本におけるウクライナ戦争の受容にどのような影響を与えたかについても論じている。

 

プログラム

講演(60分)

Olga KHOMENKO(オックスフォード大学日本研究所英国科学アカデミーフェロー)

講師プロフィール

オリガ・ホメンコ
オックスフォード大学日本研究所英国科学アカデミーフェロー。ウクライナ・キーウに生まれる。キーウ国立大学文学部卒業。東京大学大学院地域文化研究科で博士号取得。歴史研究者、作家、コーディネーターやコンサルタントとして活動中。日本語の著書に『現代ウクライナ短編集』(共編訳、群像社、2005年11月)、『ウクライナから愛をこめて』(群像社、2014年1月)、『国境を超えたウクライナ人』(群像社、2022年2月)などがある。

主催 東京大学国際高等研究所東京カレッジ
お問い合わせ tokyo.college.event@tc.u-tokyo.ac.jp

Upcoming Events

開催予定のイベント

Previous Events

公開済みイベント

ブリュッセル効果への対応:日本企業はEU-AI法にどう備えるべきか

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月11日(水)12:00-13:00

本ウェビナーでは、EU-AI法の概要と行動規範の策定における4つのワーキンググループ活動、さらに日本企業が特に留意すべき重要なポイントについて概説します。
EUの規制動向がもたらす「ブリュッセル効果」や日本への影響について理解を深める機会としてAI関連技術の開発・提供・流通に関わる企業、研究機関、開発コミュニティの参加者のご参加をお待ちしております。

発展途上国の環境問題:課税の役割とは?(講演者:Michael KEEN潮田フェロー)

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月11日(水)10:30-12:00

多くの低所得国は深刻な環境問題に直面している。よって、社会のニーズと経済発展に資金を提供するための税収が喫緊の課題となっている。環境税は、その両方の目的を満たせるのか。この講義では、最近出版された書籍を参考にしながら、低所得国が直面する多くの環境問題のうち最も差し迫った問題(大気・土壌の質、廃棄物管理、森林破壊、渋滞、気候変動への適応など)を評価し、税制の改善がそれらの問題への対処と多額の税収の引き上げにおいて、どの程度役立つかについて検討する。

見えざるジェンダーから見えるジェンダーへ(講演者:岡田 トリシャ教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月6日(金)15:00-16:30

本講演では、1980年代から2000年代初頭までの日本におけるフィリピン人トランス女性またはトランスピネイの移住経緯(移住前・中・後)に関するエスノグラフィ研究を取り上げる。交差的不可視性(Purdie-Vaughns & Eibach, 2008)の枠組みから、フィリピン人トランス女性の移住体験を、トランスジェンダー移住者が現在直面している問題の事例と関連づける。また、ソーシャルメディアや映画が、いかにしてジェンダーの(不)可視性を示し、交渉する場を作り出しているのかについても探求する。

個人主義の国・日本(講演者:John LIE教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年11月26日(火)13:00-14:30

欧米諸国の「個人主義」に対して、日本社会は「集団主義」あるいは「集団志向」であると言われている。しかし、この説は間違いである。本講演では、通説に反論した後、この誤った考え方の系譜をたどり、その妥当性について論じる。

競合からパートナーへ:銀行によるフィンテックへのベンチャー投資(講演者:Manju PURI教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年11月12日(火)10:30-12:00

銀行がフィンテックとの競争を乗り切るための戦略的アプローチとして、フィンテックの新興企業へのベンチャー投資を活用しているという仮説のもとに、その根拠について検討を行う。これまで、銀行のベンチャー投資がフィンテック企業により重点を置いていることが明らかにされている。その結果、フィンテックとの競合が激化している銀行においては、フィンテックの新興企業にベンチャー投資をする可能性が高いことが示唆される。さらに、銀行は、自社の事業と資産の補完性が高いフィンテック企業をターゲットにしていることが証された。よって、操作変数分析により、ベンチャー投資が投資銀行とフィンテックの投資先との間で業務上の協力や知識移転が行われる可能性が高まることが理解できる。


TOP