東京カレッジ講演会「地球規模の気候変動に対する科学の挑戦」講師:李遠哲 - 東京カレッジ

東京カレッジ講演会「地球規模の気候変動に対する科学の挑戦」講師:李遠哲

日時:
2019.11.20 @ 17:00 – 18:30
2019-11-20T17:00:00+09:00
2019-11-20T18:30:00+09:00

東京カレッジ講演会「地球規模の気候変動に対する科学の挑戦」が開催されました

 

2019年11月20日、李遠哲教授による講演会「地球規模の気候変動に対する科学の挑戦」が開催されました。李教授は、気候変動が国家ベースのアプローチでは解決できない世界的な問題であることを指摘し、1931年に設立された国際科学連合(ICSU)等の国際機関の歩みを紹介しました。

ICSUのミッションは、社会のために国際的な科学や国際的な政策の両方を強化することであり、国連やUNESCOとも連携を確立し、社会との関わりを積極的に試みています。2012年には、社会と科学を繋げるグローバルプラットフォームとしてフューチャー・アースを立ち上げました。フューチャー・アースは、①持続可能な地球に向けた転換を図ること、②コデザイニングと共同研究により、研究成果を普及させていくこと、③ 地域、国家を最大限に活用すること ④課題に対する解決策を見出していくことを目標としています。李教授は、フューチャー・アースの成果において、アジア、特に日本の役割を強調しました。李教授はまた、2015年に国連によって発表された地球温暖化や気候変動を含むSDGsと17のゴールに言及しました。李教授は、世界規模の現実である地球温暖化を解決するため、過度に発展した社会から一歩後退し、太陽からのエネルギーを貯蔵し変換する方法を研究する必要があると論じました。

パネルディスカッション

続いて、春日文子教授(フューチャー・アース国際事務局日本ハブ事務局長、東京大学未来ビジョン研究センター)が司会を務め、李遠哲教授、杉山昌広准教授(東京大学未来ビジョン研究センター)、山崎大准教授(東京大学生産技術研究所)、江間有沙特任講師(東京大学未来ビジョン研究センター)、がパネル・ディスカッションに登壇しました。気候変動の問題、持続可能な開発、AIと環境問題の関係などが議論されました。質疑応答セッションでは、皆がどのように持続可能な開発に貢献できるかという市民の役割についての質問も挙がりました。

終了しました
開催日時 2019年11月20日(水)17:00-18:30
会場

東京大学・福武ラーニングシアター(本郷キャンパス 情報学環・福武ホール地下2階)

申込方法 事前申込制。160名(先着順、参加無料)
言語 英語(日英同時通訳有)
要旨

フューチャー・アースは、2012年に「リオ+20」で最初に発表され、地球圏・生物圏国際協同研究計画(IGBP)、生物多様性科学国際共同研究計画(DIVERSITAS)、地球環境変化の人間的側面に関する国際研究計画(IHDP)などの国際協力枠組みのプログラムを統一し、地球規模の課題解決に向けた協働を進めるために、国際科学会議(ICSU)が設立したプログラムです。当時ICSU会長であった李遠哲先生に、フューチャー・アースに関するICSUでの発想と哲学、将来の人類の福祉のための科学の役割についてお話しいただきます。

主催 フューチャー・アース国際事務局日本ハブ/東京大学未来ビジョン研究センター(IFI)/東京大学国際高等研究所東京カレッジ
お問い合わせ tcevent@graffiti97.co.jp

Upcoming Events

開催予定のイベント

今日は「ディスインフォメーション」の時代か、それとも「戦略的コミュニケーション」の時代か?(講演者:Neville BOLT氏)

イベント予定講演会/Lecture

2024年7月22日(月)14:30-16:00

「ディスインフォメーション」と「戦略的コミュニケーション」は、関連しつつも異なる概念である。にもかかわらず、しばしば同じ意味だと誤解されている。ネビル・ボルト氏は、21世紀初頭より世界中の政府の注目を集め、盛んに論じられてきた「ディスインフォメーション」と「戦略的コミュニケーション」という2つの重要な概念について論じる。

Previous Events

公開済みイベント

平和、安全保障と人工知能

イベント予定講演会/Lecture

2024年7月12日(金) 14:00-15:00

本講演では、広範なセキュリティ領域にわたってAIシステムがもたらす固有のリスクについて掘り下げ、最後に、これらの技術に関連するリスクを防止・軽減するためのガバナンス・モデルの提案について、いくつかの知見を紹介する。その中には、拘束力のある規範、基準、ガイドラインを精緻化する必要性や、これらの規制を実施し、説明責任、被害に対する救済措置、緊急対応を通じてコンプライアンスを確保する適切なメカニズムを備えた一元化された当局を通じた監視、モニタリング、検証、検証機能の必要性が含まれる。

出版記念会:「キーウの遠い空-戦争の中のウクライナ人」(講師:Olga KHOMENKO氏)

イベント予定講演会/Lecture

2024年6月28日(金)15:30-16:30

2023年7月25日、中央公論新社からホメンコ氏の著書『キーウの遠い空─戦争の中のウクライナ人 』が出版された。ウクライナ戦争を独自の視点でとらえた一冊である。
この本は、ホメンコ氏がウクライナで体験した戦争や、家族、友人、元教え子から聞いた話に基づいて執筆された。ホメンコ氏は2022年の初めに日本のメディアの取材で、ウクライナの歴史や文化に関するインタビューを受けたが、その際の質問が、ウクライナの歴史に関する知識をあまりにも欠いていたため、インタビューに応じる代わりにウクライナ人の声を届けるために日本語で本を執筆することにした。

ハッキングの文化史(講師:Federico MAZZINI教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年6月24日(月)15:00-15:45

本講演では、1960年代の米国の大学で誕生したと言われているハッカー文化を、より長い歴史的文脈に位置付け考察する。歴史は19世紀末のSF小説から始まり、1910年代のハムラジオ、1970年代の「電話ハック」、そして20世紀末のコンピューター・ハッカーへと続く。本講演では、ハッカーや初期のハッカーたちが自分たちについて何を書き残し、また彼らが活字メディアにどのように受け止められていたかを議論する

グローバリゼーションの未来: 歴史の視点から(講演者:Bill EMMOTT氏)

イベント予定講演会/Lecture

2024年6月4日(火)16:00-17:30

グローバリゼーション―貿易、金融、思想を通じた国々のつながり―は後退しているように見える。各国政府は地政学的な緊張により、経済的保障を優先させ「リスク回避」に努めている。しかし、グローバリゼーションの後退が言われるのは、これが初めてではない。歴史を振り返ることで、どのような要因が今後のグローバリゼーションの行方を真に左右するのか理解することができるだろう。

日本における同族経営医療法人(講演者:Roger GOODMAN教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年5月30日(木)14:00-15:30

日本では、病院の約80%とクリニックの約90%が私立であり、これらのうち約75%が同族経営である。本講演では、日本の医療制度の運営全体の文脈における同族経営医療法人の発展と意義を説明し、先行研究でまだ明らかにされていない部分に注目する。

21世紀の中央銀行(講演者:Luiz Awazu PEREIRA DA SILVA教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年5月29日 (水)15:00-16:30 JST

21世紀の中央銀行は、5つの岐路に直面している(1. インフレとその不透明性の再現、2. 気候変動、3. 不平等、4. デジタル金融イノベーション、5. 人工知能)。これまで、中央銀行は課題に直面した際、分析的思考を強化し、適切にリスクを均衡させ、最善の道を選択してきた。現在、中央銀行が直面する新たな課題は、中央銀行がそれらの挑戦的な影響を慎重に特定し、分析する必要があることを示唆している。


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