「知りたい」に応える-社会と専門家のより良い関係を目指して - 東京カレッジ

「知りたい」に応える-社会と専門家のより良い関係を目指して

日時:
2020.10.14 @ 13:00 – 15:30
2020-10-14T13:00:00+09:00
2020-10-14T15:30:00+09:00

終了しました
YouTubeライブ配信
開催日時 2020年10月14日(水)13:00-15:30
会場

東京カレッジYouTubeチャンネル
https://youtu.be/l6B7UZn5JP8

言語 日本語 (Japanese language only)
要旨

新型コロナ禍で、専門家が未知の事象へ挑戦する中、社会や人々は何が起こっているのか、どう対処したら良いのかに関心を寄せ、専門家には事象の解明や関連する研究に加えて、様々な疑問に対する答や対応に必要な知識の提供を求めている。その究極な例は、政策などへの意志決定への助言と言えるが、社会と専門家の間にどのような関係を築くかは、社会からの支援で専門的な活動が行われていることからも重要な課題である。

本シンポジウムでは、具体的な事例として現在の最大の出来事である新型コロナと10年前にも日本が経験した地震を課題として取り上げ、科学社会論の立場からは専門家の意見の開陳や情報発信のあり方への見解を、専門家の立場から新たなウイルスの登場や従来の想定を上回る地震の発生等に際して専門家と社会の関係の課題や難しさを示し、社会と専門家のより良い関係を模索する。

プログラム

【進行】

大竹暁 (副カレッジ長・未来ビジョン研究センター特任教授)

【登壇者】

南学正臣 (医学系研究科副研究科長 腎臓・内分泌内科教授)
藤垣裕子 (総合文化研究科 教授)
佐竹 健治 (地震研究所長 地震火山情報センター教授)
横山広美 (カブリ数物連携宇宙研究機構 教授)

講師プロフィール

大竹暁
副カレッジ長・未来ビジョン研究センター特任教授
専門は科学技術政策研究

南学正臣
医学系研究科副研究科長 腎臓・内分泌内科教授
アジア太平洋腎臓学会理事長、日本内科学会副理事長

藤垣裕子
総合文化研究科教授。専門は科学技術社会論。著書に『専門知と公共性』(東京大学出版会、2003)、『科学者の社会的責任』(岩波書店、2018)、編著に『科学技術社会論の挑戦』(第1巻~3巻、東京大学出版会、2020)など。

佐竹健治
地震研究所長 地震火山情報センター教授
国際地震学及び地球内部物理学協会会長
内閣府 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会座長

横山広美
カブリ数物連携宇宙研究機構教授。
学際情報学府兼担。科学技術社会論学会理事、日本学術会議連携会員。
最近の寄稿に日経新聞(8/3付け)「専門家も発信力鍛えよ」など。

主催 東京大学国際高等研究所東京カレッジ
お問い合わせ tokyo.college.event@tc.u-tokyo.ac.jp

Upcoming Events

開催予定のイベント

不滅の知性とDNAに依存しない人類の台頭(講演者:Johan BJÖRKEGREN教授)

イベント予定講演会/Lecture

2025年1月29日(水)15:00-16:30

約6万年前、人類がアフリカからの移住に成功した頃、ある変革が起こった。ホモ・サピエンスは、自然資源を巡る競争能力を根本的に変える重大なDNA変化を経験したと考えられる。この変化にとって重要だったのは、抽象的思考の獲得であった。そして今日、AIの発展により、ダーウィンの「適者生存」の原則から最終的に脱却する段階に差し掛かっている。我々はDNAへの依存から完全に解放されることで、さらには死すらも克服する方向へ急速に進化しつつある。

日常の「外交官」: 分断された世界で混沌をつながりに変える(講演者:Annelise RILES教授)

イベント予定講演会/Lecture

2025年2月13日(木)10:00-11:30

Annelise RILESは、新著『Everyday Ambassadors』で、私たちは今、リーダーシップが少数の手にあるのではなく、すべての人の手にあるエキサイティングな新世界秩序の瀬戸際にいると主張する。世界に今必要なのは、政治的、文化的違い、科学と宗教、芸術とテクノロジーの世界の間の橋渡し役であり、翻訳者、通訳者など、より多くの外交官であると提唱している。本講演では、RILES教授が、数十年にわたる法律と民族誌の研究をまとめ、誰もがどこにいても優れた外交官になるための 7 つの「行動」をまとめた著書について語る。

ニューリーダーの下での日米経済関係

イベント予定パネルディスカッション/Panel discussion

2025年2月14日(金)9:00 - 10:15(JST)/ 2月13日(木)19:00 - 20:15(EST)

次期アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏は、中国からの輸入品に60%、カナダおよびメキシコからの輸入品に25%、そしてその他の国からの輸入品に10%の関税を課すと表明しています。就任から3週間が経過した今、これらの関税が実際に課される可能性はどの程度あるのでしょうか?これらが仮に実行された場合、日本はどのように対応するのでしょうか?日本の製造業者からアメリカへの輸出が大幅に減少するだけで済むのでしょうか?それとも、日本の製造業者は関税回避のためにアメリカでの投資を増加させるのでしょうか?あるいは、既にアメリカでの生産を十分にシフトさせており、それによって関税の悪影響が完全に回避されることが明らかになるのでしょうか?
中国やEUがアメリカに関税を課して応酬すれば、関税戦争がグローバルな貿易や国境を越えた投資に悪影響を及ぼす可能性もあります。日本の製造業者は、これにどのように対応するのでしょうか?

イギリスの対中認識と対日政策 ー 2010-2024年(Alastair MORGAN潮田フェロー)

イベント予定講演会/Lecture

2025年2月18日(火)15:00-16:30

保守党率いるイギリス政府の中国に対する認識は、2010年から2024年にかけて大きく変化しました。2010年、デーヴィッド・キャメロン首相は中国の台頭を機会と捉えていました。しかし、10年後には、政府は中国をイギリスの経済安全保障に対する最大の長期的脅威とし、海外での中国の自己主張に対する懸念が高まっていると表明しました。この期間に、イギリスと日本はますます密接な安全保障関係を築きました。イギリス政府の中国に対する認識がこの期間の日本への政策を決定付けたのでしょうか、それとも他の要因も同様の影響力があったのでしょうか?新しい労働党政府からはどのようなアプローチが期待されるのでしょうか?

日本の過去を再考する:教科書の改訂と歴史の修正(講演者:Andrew GORDON教授)

イベント予定講演会/Lecture

2025年2月27日(木)15:00-16:30

過去というのはまるで異国だと言われており、歴史家は現代の価値観を押し付けることなく過去を理解しようとする。しかしながら、歴史叙述とは、必然的に過去と現在の対話を行うことである。本講演では、これまでA Modern History of Japanを4版執筆し、現在5版の執筆を検討中の著者が、25年にわたる内的対話を紹介する。

Previous Events

公開済みイベント

性暴力はなぜ繰り返されるのか:背後の社会規範を問う(講演者:大沢 真知子教授)

イベント予定共催/Joint Event講演会/Lecture

2025年1月21日(火)14:00-15:30

声を上げる被害者によって性被害の実態が明らかになりつつある。にもかかわらず性加害が繰り返されるのはなぜなのか。本講演では、2022年にNHKが実施した性暴力実態調査アンケートによって回収された38383件の被害者のデータを元に性被害者の実態を明らかにするとともに、日本社会には強姦神話が存在し、それによって被害者が責められるさらに苦しむという構造がある。背後には男女不平等社会をもたらす社会の男性規範があり、性加害をなくすためには、社会規範を問い直す必要がある。

ブリュッセル効果への対応:日本企業はEU-AI法にどう備えるべきか

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月11日(水)12:00-13:00

本ウェビナーでは、EU-AI法の概要と行動規範の策定における4つのワーキンググループ活動、さらに日本企業が特に留意すべき重要なポイントについて概説します。
EUの規制動向がもたらす「ブリュッセル効果」や日本への影響について理解を深める機会としてAI関連技術の開発・提供・流通に関わる企業、研究機関、開発コミュニティの参加者のご参加をお待ちしております。

発展途上国の環境問題:課税の役割とは?(講演者:Michael KEEN潮田フェロー)

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月11日(水)10:30-12:00

多くの低所得国は深刻な環境問題に直面している。よって、社会のニーズと経済発展に資金を提供するための税収が喫緊の課題となっている。環境税は、その両方の目的を満たせるのか。この講義では、最近出版された書籍を参考にしながら、低所得国が直面する多くの環境問題のうち最も差し迫った問題(大気・土壌の質、廃棄物管理、森林破壊、渋滞、気候変動への適応など)を評価し、税制の改善がそれらの問題への対処と多額の税収の引き上げにおいて、どの程度役立つかについて検討する。

見えざるジェンダーから見えるジェンダーへ(講演者:岡田 トリシャ教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月6日(金)15:00-16:30

本講演では、1980年代から2000年代初頭までの日本におけるフィリピン人トランス女性またはトランスピネイの移住経緯(移住前・中・後)に関するエスノグラフィ研究を取り上げる。交差的不可視性(Purdie-Vaughns & Eibach, 2008)の枠組みから、フィリピン人トランス女性の移住体験を、トランスジェンダー移住者が現在直面している問題の事例と関連づける。また、ソーシャルメディアや映画が、いかにしてジェンダーの(不)可視性を示し、交渉する場を作り出しているのかについても探求する。


TOP