【言語とアイデンティティ】第5回:「日本における英語教育改革―バイリンガルで多文化的な新世代の日本人育成へ?」 - 東京カレッジ

【言語とアイデンティティ】第5回:「日本における英語教育改革―バイリンガルで多文化的な新世代の日本人育成へ?」

日時:
2021.11.12 @ 17:00
2021-11-12T17:00:00+09:00
2021-11-12T17:15:00+09:00
【言語とアイデンティティ】第5回:「日本における英語教育改革―バイリンガルで多文化的な新世代の日本人育成へ?」
終了しました
YouTube配信
開催日時 2021年11月12日(金)から17:00以降視聴可能
会場

東京カレッジYouTubeチャンネル

言語 英語(日本語同時通訳有)
要旨

ここ数十年の間、日本政府は学校英語教育の発展のために様々な努力をしてきました。1980年代後半に開始したJETプログラムへの支援もその一例です。しかし、そのような大規模な投資にも関わらず、目覚ましい結果は出ませんでした。そこで文部科学省は、学校外国語教育改正案を打ち出し、2003年には「英語が使える日本人」の育成のための行動計画の中で新たな目標といくつかの具体策が発表されました。そのうちの一つが、英語圏を中心とした欧米の文化だけでなく、日本文化、歴史、生活様式などに焦点を置いた外国語教育を行うというものです。これに基づき、2018年から2020年にかけて最新の改正が施行されました。その結果、例えば小学校での英語の必修授業時間数が3倍に増えました。この共同研究プロジェクトでは、まず文部科学省の2003年以降の学校英語教育改正に関する様々な資料を分析し、その(1)目的(2)教育手法(3)改正の有効性を議論します。さらに、上記改正は外国語学習のみでなくアイデンティティ形成にも大きく関わる問題であるため、文化とアイデンティティの結びつきに注目し、第二言語習得や社会的アイデンティティ研究の理論に基づき、英語教育と学習者のアイデンティティの関係について分析します。最終的には、これら改正案の予想される成果や課題について、日本における文化、教育システムと照らし合わせ評価することをプロジェクトの目的とします。

プログラム

登壇者

Michael HOFMEYR (大阪大学大学院言語文化研究科・特任講師)

 

コメント

細川 尚子(東京カレッジ・ポスドク研究員)

 

司会

Maria TELEGINA(東京カレッジ・ポスドク研究員)

主催 東京大学国際高等研究所東京カレッジ
お問い合わせ tokyo.college.event@tc.u-tokyo.ac.jp

Upcoming Events

開催予定のイベント

今日は「ディスインフォメーション」の時代か、それとも「戦略的コミュニケーション」の時代か?(講演者:Neville BOLT氏)

イベント予定講演会/Lecture

2024年7月22日(月)14:30-16:00

「ディスインフォメーション」と「戦略的コミュニケーション」は、関連しつつも異なる概念である。にもかかわらず、しばしば同じ意味だと誤解されている。ネビル・ボルト氏は、21世紀初頭より世界中の政府の注目を集め、盛んに論じられてきた「ディスインフォメーション」と「戦略的コミュニケーション」という2つの重要な概念について論じる。

Previous Events

公開済みイベント

平和、安全保障と人工知能

イベント予定講演会/Lecture

2024年7月12日(金) 14:00-15:00

本講演では、広範なセキュリティ領域にわたってAIシステムがもたらす固有のリスクについて掘り下げ、最後に、これらの技術に関連するリスクを防止・軽減するためのガバナンス・モデルの提案について、いくつかの知見を紹介する。その中には、拘束力のある規範、基準、ガイドラインを精緻化する必要性や、これらの規制を実施し、説明責任、被害に対する救済措置、緊急対応を通じてコンプライアンスを確保する適切なメカニズムを備えた一元化された当局を通じた監視、モニタリング、検証、検証機能の必要性が含まれる。

出版記念会:「キーウの遠い空-戦争の中のウクライナ人」(講師:Olga KHOMENKO氏)

イベント予定講演会/Lecture

2024年6月28日(金)15:30-16:30

2023年7月25日、中央公論新社からホメンコ氏の著書『キーウの遠い空─戦争の中のウクライナ人 』が出版された。ウクライナ戦争を独自の視点でとらえた一冊である。
この本は、ホメンコ氏がウクライナで体験した戦争や、家族、友人、元教え子から聞いた話に基づいて執筆された。ホメンコ氏は2022年の初めに日本のメディアの取材で、ウクライナの歴史や文化に関するインタビューを受けたが、その際の質問が、ウクライナの歴史に関する知識をあまりにも欠いていたため、インタビューに応じる代わりにウクライナ人の声を届けるために日本語で本を執筆することにした。

ハッキングの文化史(講師:Federico MAZZINI教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年6月24日(月)15:00-15:45

本講演では、1960年代の米国の大学で誕生したと言われているハッカー文化を、より長い歴史的文脈に位置付け考察する。歴史は19世紀末のSF小説から始まり、1910年代のハムラジオ、1970年代の「電話ハック」、そして20世紀末のコンピューター・ハッカーへと続く。本講演では、ハッカーや初期のハッカーたちが自分たちについて何を書き残し、また彼らが活字メディアにどのように受け止められていたかを議論する

グローバリゼーションの未来: 歴史の視点から(講演者:Bill EMMOTT氏)

イベント予定講演会/Lecture

2024年6月4日(火)16:00-17:30

グローバリゼーション―貿易、金融、思想を通じた国々のつながり―は後退しているように見える。各国政府は地政学的な緊張により、経済的保障を優先させ「リスク回避」に努めている。しかし、グローバリゼーションの後退が言われるのは、これが初めてではない。歴史を振り返ることで、どのような要因が今後のグローバリゼーションの行方を真に左右するのか理解することができるだろう。

日本における同族経営医療法人(講演者:Roger GOODMAN教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年5月30日(木)14:00-15:30

日本では、病院の約80%とクリニックの約90%が私立であり、これらのうち約75%が同族経営である。本講演では、日本の医療制度の運営全体の文脈における同族経営医療法人の発展と意義を説明し、先行研究でまだ明らかにされていない部分に注目する。

21世紀の中央銀行(講演者:Luiz Awazu PEREIRA DA SILVA教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年5月29日 (水)15:00-16:30 JST

21世紀の中央銀行は、5つの岐路に直面している(1. インフレとその不透明性の再現、2. 気候変動、3. 不平等、4. デジタル金融イノベーション、5. 人工知能)。これまで、中央銀行は課題に直面した際、分析的思考を強化し、適切にリスクを均衡させ、最善の道を選択してきた。現在、中央銀行が直面する新たな課題は、中央銀行がそれらの挑戦的な影響を慎重に特定し、分析する必要があることを示唆している。


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