【言語とアイデンティティ】第6回:「『ありのまま』に『おネエことば』を再現する: 言語労働と言語的過剰性」
開催日時 | 2021年11月13日(土)から17:00以降視聴可能 |
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会場 | |
言語 | 英語(日本語同時通訳有) |
要旨 |
対談やテレビ番組などの多岐にわたるジャンルにおいて、いわゆる「おネエことば」のような言葉遣いは、脚本からではなく本格的な「クィア男子」からありのままに生まれるかのように描写されています。速記者、記録者、グラフィックデザイナーやイラストレーター、編集チームの共同的な言語労働を通して行われる編集作業は、おネエキャラを音として(再)構築し、その口調を本質的に過剰で封じ込めを必要とするものとして(再)創造します。言い換えれば、オネエによって使用されることばは、言語労働の実践を通して、転写者、ゴーストライター、編集者、プロデューサーなどによって新たに想像され、文脈化されるのです。
私の著者『queerqueen: Linguistic Excess in Japanese Media』(OxfordUP, 2020)を基に、本講演では、対談のフォーマットも一流のグラフィックアーティストのイラストを取り入れた双子兄弟のおすぎ(杉浦孝昭、映画評論家、1945年ー)とピーコ(杉浦克昭、ファッション評論家、1945年ー)が1979年-1980年にかけて著者した5冊の書籍に焦点を当てます。視覚的なミメーシスと表記体系のスタイライゼーションによって、彼らの口調の過剰性が強調され、抑制すべきものだという意識が検閲という形で強調されます。このようにして、「実際の」会話で生まれたことばとやりとりは、言語労働のプロセスを通して文脈化され、将来のおネエブームを明確するためにも機能します。おネエことばがどのようにテキスト化されるかを分析することで、エンタテインメントのビジネスに不可欠なジェンダー、セクシュアリティ、欲望に関する言語的なステレオタイプが現代のメディアでどのように表現されるのか、そしてその過程に必要な「真正性」を(再)構築する言語労働はどういうものなのか明らかにします。 |
プログラム |
登壇者 Claire MAREE (Associate Professor & Reader, Asia Institute, University of Melbourne)
コメント Michael FACIUS(東京カレッジ・准教授)
司会 Hannah DAHLBERG-DODD(東京カレッジ・特任研究員) |
主催 | 東京大学国際高等研究所東京カレッジ |
お問い合わせ | tokyo.college.event@tc.u-tokyo.ac.jp |