東京カレッジ講演会「ロシア・ウクライナ戦争が変えるヨーロッパ国際秩序、日本の立場」 - 東京カレッジ

東京カレッジ講演会「ロシア・ウクライナ戦争が変えるヨーロッパ国際秩序、日本の立場」

日時:
2022.07.29 @ 15:00 – 17:00
2022-07-29T15:00:00+09:00
2022-07-29T17:00:00+09:00
東京カレッジ講演会「ロシア・ウクライナ戦争が変えるヨーロッパ国際秩序、日本の立場」

終了しました
講演会
開催日時 2022年7月29日(金)15:00-17:00(14:30開場)
会場

東京大学 本郷キャンパス 小柴ホール(理学部1号館2階)
定員に達したため、募集を終了しました(7月14日)

言語 日本語(英語同時通訳)
要旨

ロシア・ウクライナ戦争は、西欧の国際秩序・安全保障の構造を大きく変化させつつあります。フランスやドイツといった西欧のNATO加盟・主要国は、ロシアのウクライナ侵攻にどのように反応したのか。それはEUの外交・安全保障面での分裂を癒したのか、あるいはむしろ西欧の分裂を再確認してしまったのか。 

 

NATOとの安全保障協力を近年に深めつつあった日本にとっても、ウクライナ問題は大きな影響をもたらし得る事象です。日本のロシア・ウクライナ戦争への対応は、西欧ではどのように受け止められており今後の日本と西欧との関係にどのような影響を及ぼすのか。 

 

これらのテーマに、東京カレッジの招聘教員として来日しているギブール・ドラモット客員准教授(フランス国立東洋言語文化学院准教授)と岩間陽子教授(政策研究大学院大学教授)をお迎えして、取り組みます。

 

プログラム

14:30 開場 

 

15:00 -15:10 

開会挨拶 

味埜俊(東京カレッジ副カレッジ長) 

 

15:10-15:50  

講演 「ロシアのウクライナ侵攻への欧州の反応」 

講師: Guibourg DELAMOTTE (仏国立東洋言語文化学院准教授・東京カレッジ客員准教授) 

ロシアのウクライナ侵攻により、再び戦争の場になったヨーロッパでの反応は、国によって様々である。それはEUの外交・安全保障面での分裂を癒したのだろうか、それとも分裂を再確認したのだろうか。かつてアフガニスタンに派兵をしたドイツ、マリでの国連平和維持活動に軍部隊を派遣したフランスは、ウクライナに対しては軍事介入を行わない姿勢を取った。その理由はどこにあるのだろうか。国際法・国際人道法に反する疑いのあるロシア軍のウクライナでの行動に対して、国際規範に重きを置いてきたEUは、どう対処するのだろうか。そして、EUとの比較、EUとの関係において、ウクライナ問題に対する日本の対処について検討する。 

 

15:50-16:30 

講演 「ロシア・ウクライナ戦争とドイツの安全保障・外国政策」  

講師:岩間陽子(政策研究大学院大学教授) 

ロシアのウクライナ侵攻が、長年対ソ・対ロの関与政策を進めてきた社民党首班政権下で起こったことは、ある意味皮肉であった。ただ、その関与政策の意味合いは、シュレーダー政権と続くメルケル政権で、かなり変容していた。今回ロシアのウクライナ侵攻により、これまでのドイツの東方政策をどう評価するのか、そして、この路線が頓挫したことにより、ドイツの安全保障・外交政策はどのような影響を受けるのだろうか。  

 

16:30-16:55 

Q&A  

モデレーター:池内恵(東京大学先端科学技術研究センター教授) 

16:55-17:00 閉会挨拶 

 

講師プロフィール

Guibourg DELAMOTTE (仏国立東洋言語文化学院准教授・東京カレッジ客員准教授)
仏・豪の二重国籍を有し、日本を中心としたアジアの安全保障・国際関係を専門とする。

 

岩間陽子(政策研究大学院大学教授) 
ドイツ中心に西欧の国際政治・安全保障を専門する。

 

主催 東京大学国際高等研究所東京カレッジ/東京大学先端科学技術研究センターのグローバルセキュリティ・宗教分野およびROLES(先端研創発戦略研究オープンラボ)
お問い合わせ tokyo.college.event@tc.u-tokyo.ac.jp
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・国外からの帰国・入国者で政府の定める待機が必要は期間がある者と濃厚接触がある者

また、感染状況など場合によっては保健所等の公的機関へ参加者氏名、連絡先等の個人情報を提供する場合があります。あらかじめご了承ください。

Upcoming Events

開催予定のイベント

個人主義の国・日本(講演者:John LIE教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年11月26日(火)13:00-14:30

欧米諸国の「個人主義」に対して、日本社会は「集団主義」あるいは「集団志向」であると言われている。しかし、この説は間違いである。本講演では、通説に反論した後、この誤った考え方の系譜をたどり、その妥当性について論じる。

見えざるジェンダーから見えるジェンダーへ(講演者:岡田 トリシャ教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月6日(金)15:00-16:30

本講演では、1980年代から2000年代初頭までの日本におけるフィリピン人トランス女性またはトランスピネイの移住経緯(移住前・中・後)に関するエスノグラフィ研究を取り上げる。交差的不可視性(Purdie-Vaughns & Eibach, 2008)の枠組みから、フィリピン人トランス女性の移住体験を、トランスジェンダー移住者が現在直面している問題の事例と関連づける。また、ソーシャルメディアや映画が、いかにしてジェンダーの(不)可視性を示し、交渉する場を作り出しているのかについても探求する。

ブリュッセル効果への対応:日本企業はEU-AI法にどう備えるべきか

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月11日(水)12:00-13:00

本ウェビナーでは、EU-AI法の概要と行動規範の策定における4つのワーキンググループ活動、さらに日本企業が特に留意すべき重要なポイントについて概説します。
EUの規制動向がもたらす「ブリュッセル効果」や日本への影響について理解を深める機会としてAI関連技術の開発・提供・流通に関わる企業、研究機関、開発コミュニティの参加者のご参加をお待ちしております。

発展途上国の環境問題:課税の役割とは?(講演者:Michael KEEN潮田フェロー)

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月11日(水)10:30-12:00

多くの低所得国は深刻な環境問題に直面している。よって、社会のニーズと経済発展に資金を提供するための税収が喫緊の課題となっている。環境税は、その両方の目的を満たせるのか。この講義では、最近出版された書籍を参考にしながら、低所得国が直面する多くの環境問題のうち最も差し迫った問題(大気・土壌の質、廃棄物管理、森林破壊、渋滞、気候変動への適応など)を評価し、税制の改善がそれらの問題への対処と多額の税収の引き上げにおいて、どの程度役立つかについて検討する。

駐日ジョージア大使に聞く 「内から見た日本、外から見た日本」

イベント予定対話/Dialogue

2024年12月13日 17:00以降視聴可能

日本文化や日本のビジネス慣習に深い知見と洞察を持つティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使と、海外から日本を多角的に研究してきた、グローバル外交史の専門家である島津直子教授が、東京カレッジの主要な研究テーマの一つである「内から見た日本、外から見た日本」について議論します。
ご一緒にお楽しみください。

ザ・サロン ー 東大教授との対話シリーズ シーズン3

イベント予定対話/Dialogue

12月2日以降 毎週月曜日 順次公開(17:00以降視聴可能)

東大の文系の卓越研究者をゲストに迎え、東京カレッジの島津直子教授と、東京カレッジに滞在中のUCバークレーのJohn Lie教授がホスト役を務める対談シリーズ。専門分野の壁を超えた対話を繰り広げます。
隣の席に座った気分で、分野の異なる専門家によるリラックスした会話に耳を傾けてみませんか?

Previous Events

公開済みイベント

競合からパートナーへ:銀行によるフィンテックへのベンチャー投資(講演者:Manju PURI教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年11月12日(火)10:30-12:00

銀行がフィンテックとの競争を乗り切るための戦略的アプローチとして、フィンテックの新興企業へのベンチャー投資を活用しているという仮説のもとに、その根拠について検討を行う。これまで、銀行のベンチャー投資がフィンテック企業により重点を置いていることが明らかにされている。その結果、フィンテックとの競合が激化している銀行においては、フィンテックの新興企業にベンチャー投資をする可能性が高いことが示唆される。さらに、銀行は、自社の事業と資産の補完性が高いフィンテック企業をターゲットにしていることが証された。よって、操作変数分析により、ベンチャー投資が投資銀行とフィンテックの投資先との間で業務上の協力や知識移転が行われる可能性が高まることが理解できる。

多文化・多言語対応の安全な大規模言語モデルの構築を目指して

イベント予定講演会/Lecture

2024年11月11日(月)10:00-11:00

生成人工知能(AI)の利用が世界的に広まるにつれ、AIモデルが地域ごとの文化や言語におけるリスクや懸念を敏感に反映できることがますます重要になっています。そのためには、何がリスクや有害なコンテンツなのかを地域・文化ごとに特定する作業を更新し続けていくことが必要となります。この作業には、AIや情報セキュリティの研究者はもちろん、人文・社会科学の研究者、AIやメディアのプラットフォーマー達や実務家の方や政策関係者たちと継続的に議論できるコミュニティを形成していくことが重要となります。本イベントでは、このようなコミュニティを継続させていく枠組みについてお話します。

新内閣の経済政策: ウィッシュリストと展望

イベント予定パネルディスカッション/Panel discussion共催/Joint Event

2024年11月8日(金)8:00 - 9:15

自民党総裁選挙(9月27日)と衆議院議員選挙(10月27日)の2つの選挙が行われ、新しい首相が選出された。この2回の選挙では、多くの経済政策案が提示され、議論された。ウェビナーでは、採用される可能性の高い経済政策と、採用される可能性は低いが日本経済にとって望ましい経済政策について議論する。

ロボットを「殺す」50の方法(講演者:Jennifer ROBERTSON教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年11月5日(火)10:30-12:00

タイトルの「50 Ways」という言葉は、文字通りの尺度として捉えるべきではない。「50」は、単に「いくつか以上の数」を表す比喩である。ポール・サイモンのヒット曲「恋人と別れる50の方法」(1975年)では、6つの別れ方が提示されている。本講演では、ロボットを「殺す、終わらせる」ためのいくつかの方法と、ロボットが「死ぬ」いくつかの方法を検討する。ここで言う「死」とは、生命維持機能が永続的に停止することを広く定義している。また、「死亡した」ロボットがどのように処理されるかについても考察する。文化的な焦点は主に日本と米国である。人間もロボットも、いくつかの点で電気的な存在であるため、結論では、電気の供給が途絶えた後にそれぞれに何が起こるのかという問題を取り上げる。

東アジア・東南アジアのアイドル・ファンダム文化におけるクィア・ファンタジーの探求(講演者:Thomas BAUDINETTE氏)

イベント予定講演会/Lecture

2024年11月1日(金)14:00-15:30

本講演では、東アジアの確立されたアイドル市場(日本と韓国)と東南アジアの新興アイドル市場(フィリピンとタイ)の両方におけるアイドル・ファンダムの10年以上にわたるエスノグラフィックな観察をもとに、アイドル・ファンダムに関するこの説明に異議を唱える。そして、ファンの主観性が基本的に変容的であることが、周縁化された社会的主体が自分たちを不利にする社会構造を批判するために利用できるアイドルと結びついたクィア・ファンタジーの創造を促すことを主張する。さらに本講演では、アジア全域のLGBTQ+のファンが、アイドルのファンダムをどのようにクィアな空間へと変容させ、そこで彼らのファンタジー作品が、クィア解放という政治的プロジェクトに根ざした国境を越えた連帯を生み出しているのかを解き明かす。

日本におけるクィア人口学――西洋を前提に普遍化されたジェンダー・セクシュアリティに関する知を脱中心化する(講演者:平森大規 教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年10月24日(木)15:00-16:30

本講演では、日本の文脈を考慮に入れつつ、無作為抽出調査で性的指向・性自認を測定するための方法論的研究から得られた知見を紹介する。また、異性愛者の回答者が非異性愛者として誤分類される問題や、量的データにおいて異性愛者と非異性愛者を完全に分けることの難しさについても考察する。さらに、量的調査の性別欄において、ノンバイナリー回答者を捉えるために選択肢「その他」を用いることがあるが、性別を「その他」と選んだ回答者の半数はシスジェンダー女性である可能性があるという最新の調査結果について最後に述べる。


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