日本の言語政策と学習者アイデンティティの前提 ― 日本人のための英語教育、外国人のための日本語教育の推進 ― (講演者:橋本佳代子) - 東京カレッジ

日本の言語政策と学習者アイデンティティの前提 ― 日本人のための英語教育、外国人のための日本語教育の推進 ― (講演者:橋本佳代子)

日時:
2023.04.17 @ 13:30 – 14:30
2023-04-17T13:30:00+09:00
2023-04-17T14:30:00+09:00
日本の言語政策と学習者アイデンティティの前提 ― 日本人のための英語教育、外国人のための日本語教育の推進 ― (講演者:橋本佳代子)

終了しました
Zoomウェビナー
開催日時 2023年4月17日(月) 13:30-14:30
会場

Zoomウェビナー(登録はこちら

申込方法 事前申込制
言語 英語(日本語同時通訳有)
要旨

シリーズ「言語とアイデンティティ」
ワークショップ III:教室における言語とアイデンティティ – ポリシーと教育
基調講演

日本の言語政策は、国家、言語、国民が不可分であるという考え方が根底にあり、この考え方が日本の言語政策を形成してきました。この考え方は、言語教育の計画、推進、実施方法に多大な影響を与え、国境を越えた移民の時代において、日本社会に浸透している考え方です。最新の中学校の学習指導要領の改訂でも、言語学習に関して、日本人対外国人という二項対立の考え方が続いています。また、英語は日本の独自性を世界にアピールするための道具であるという考え方は、日本語教育がどのように推進されてきたかを反映しているように思われます。
本講演では、橋本博士が、日本のいわゆる「英語教育」において学習者のアイデンティティがどのように構築されてきたか、また、国内外の日本語教育推進において学習者のアイデンティティがどのように想定されてきたかを、関連する政策文書を分析し、解説します。また、そのような実践が、政策を成功させるために、どのような矛盾や問題を引き起こしているのかについても考察します。
最後に、橋本博士は、現在取り組んでいるオーストラリアとベトナムの日本語学習者についてのプロジェクトを紹介し、言語的・文化的に多様な背景を持つ個々の学習者が、日本語学習への批判的関与によってどのように力を発揮しているかを説明します。

プログラム

講演
橋本佳代子
クイーンズランド大学言語文化学部シニアー・レクチャラー

Q&A

司会
細川 尚子
東京大学東京カレッジポストドクトラル・フェロー

講師プロフィール

橋本佳代子博士は、オーストラリア・クイーンズランド大学言語文化学部のシニア・レクチャラーです。主な研究分野は言語政策で、特にアジアとオーストラリアにおける日本語と英語教育に焦点を与えたものです。主な著書に、Asian Studies Reviewの特集号「Japan and Southeast Asia: Language, mobility and employability」(ゲストエディター、2022年、46巻4号)、編著書「Japanese Language and Soft Power in Asia」(2018年、Palgrave Macmillan)、共編著書「Beyond Native-Speakerism: Current Explorations and Future Visions (2018, Routledge, with S. A. Houghton & D. J. Rivers)があります。

主催 東京大学国際高等研究所東京カレッジ
お問い合わせ tokyo.college.event@tc.u-tokyo.ac.jp

Upcoming Events

開催予定のイベント

現在開催予定のイベントはありません。

Previous Events

公開済みイベント

ブリュッセル効果への対応:日本企業はEU-AI法にどう備えるべきか

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月11日(水)12:00-13:00

本ウェビナーでは、EU-AI法の概要と行動規範の策定における4つのワーキンググループ活動、さらに日本企業が特に留意すべき重要なポイントについて概説します。
EUの規制動向がもたらす「ブリュッセル効果」や日本への影響について理解を深める機会としてAI関連技術の開発・提供・流通に関わる企業、研究機関、開発コミュニティの参加者のご参加をお待ちしております。

発展途上国の環境問題:課税の役割とは?(講演者:Michael KEEN潮田フェロー)

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月11日(水)10:30-12:00

多くの低所得国は深刻な環境問題に直面している。よって、社会のニーズと経済発展に資金を提供するための税収が喫緊の課題となっている。環境税は、その両方の目的を満たせるのか。この講義では、最近出版された書籍を参考にしながら、低所得国が直面する多くの環境問題のうち最も差し迫った問題(大気・土壌の質、廃棄物管理、森林破壊、渋滞、気候変動への適応など)を評価し、税制の改善がそれらの問題への対処と多額の税収の引き上げにおいて、どの程度役立つかについて検討する。

見えざるジェンダーから見えるジェンダーへ(講演者:岡田 トリシャ教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月6日(金)15:00-16:30

本講演では、1980年代から2000年代初頭までの日本におけるフィリピン人トランス女性またはトランスピネイの移住経緯(移住前・中・後)に関するエスノグラフィ研究を取り上げる。交差的不可視性(Purdie-Vaughns & Eibach, 2008)の枠組みから、フィリピン人トランス女性の移住体験を、トランスジェンダー移住者が現在直面している問題の事例と関連づける。また、ソーシャルメディアや映画が、いかにしてジェンダーの(不)可視性を示し、交渉する場を作り出しているのかについても探求する。

個人主義の国・日本(講演者:John LIE教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年11月26日(火)13:00-14:30

欧米諸国の「個人主義」に対して、日本社会は「集団主義」あるいは「集団志向」であると言われている。しかし、この説は間違いである。本講演では、通説に反論した後、この誤った考え方の系譜をたどり、その妥当性について論じる。

競合からパートナーへ:銀行によるフィンテックへのベンチャー投資(講演者:Manju PURI教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年11月12日(火)10:30-12:00

銀行がフィンテックとの競争を乗り切るための戦略的アプローチとして、フィンテックの新興企業へのベンチャー投資を活用しているという仮説のもとに、その根拠について検討を行う。これまで、銀行のベンチャー投資がフィンテック企業により重点を置いていることが明らかにされている。その結果、フィンテックとの競合が激化している銀行においては、フィンテックの新興企業にベンチャー投資をする可能性が高いことが示唆される。さらに、銀行は、自社の事業と資産の補完性が高いフィンテック企業をターゲットにしていることが証された。よって、操作変数分析により、ベンチャー投資が投資銀行とフィンテックの投資先との間で業務上の協力や知識移転が行われる可能性が高まることが理解できる。


TOP