言語とヘルスケア ー貿易、人の移動、政策ディスコースを中心にー(講演者:大友瑠璃子准教授)
開催日時 | 2023年6月21日(水)9:00-10:00 |
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会場 |
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申込方法 | 事前申込制 |
言語 | 英語(日本語同時通訳有) |
要旨 |
日本や他の国では、言語政策研究の主要な焦点は、(言語)教育が社会的、経済的、政治的、あるいは象徴的な再生産の主要な手段の一つであることから、主に教育における言語政策に当てられてきました。しかし最近、研究者たちは、言語政策への新たなアプローチや、言語、ヒューマンコミュニケーション、社会文化的問題が政策で表現される他の形態の政策にもっと注意を払うことを求めています。このような現場の声に共鳴して、この講演では、学術的に真剣に注目されるべき言語政策の一形態として、自由貿易政策に焦点を当てます。 問題となっている自由貿易政策は、年に日本とインドネシア、フィリピン、ベトナムの間で締結された経済連携協定(EPA)です。この協定により、日本側は、主に雇用前(言語)研修と日本語による免許試験により、移民看護師・介護士の労働力の流動性を管理することができます。 このEPAをめぐる言語管理装置と政策の分析の一部を紹介することで、EPAが日本の言語政策に根本的な変化をもたらすことは当面ないと考えられると主張します。高齢化社会と移住の必要性は、多言語との出会いやイデオロギーの交渉・転換の機会を豊富にもたらすが、EPAは、移住者の利益のために多言語主義や社会正義を強化するというよりは、既存の「古い」イデオロギーを強化したり利用したりすることが判明しています。 |
プログラム |
講演 Q&A 司会 |
講師プロフィール |
北海道大学メディア・コミュニケーション研究院准教授。社会言語学者として、日本における言語政策や言語計画を中心に研究しているが、社会の変化が言語に及ぼす影響(イデオロギーと実践において)に関わる問題にも取り組んでいます。最近の寄稿は、Multilingua (Otomo, 2020) と Asian Studies Review (Otomo, 2022) に掲載されています。現在、Springer社より、自由貿易政策と医療従事者の国境を越えた移動に関する日本の言語政策についての本を出版中。 |
主催 | 東京大学国際高等研究所東京カレッジ |
お問い合わせ | tokyo.college.event@tc.u-tokyo.ac.jp |