33 西田 「箱」に関しては、行政の力を借りながらやっていかなければなりませんが、特に「人」に関しては、看護師もさることながら、集中治療の専門医の数が、日本より人口が少ないドイツでは8000人いるのに対し、日本は1800~1900人ぐらいしかいません。人工呼吸器を使うにしても、ECMOを使うにしても、かなり熟練した技術が必要です。今回の波はその許容範囲で収まったので良かったのですが、いくら箱を用意して、外科や内科の先生に手伝っていただいたとしても、やはり通常の診療と異なることを行うことになりますから、質の低下は免れないでしょう。ですから、専門医機構ともタイアップしながら、内科や外科の先生も集中治療の最低限の研修を一緒に行い、いざというときに質の高い人工呼吸やECMO管理ができるような体制を構築することが必要だと思っています。
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