4 あいさつ 連続シンポジウム「コロナ危機を越えて」 ブックレット・シリーズ版の刊行にあたって 2019年に東京大学に新しく設置された東京カレッジは、次のような3つの大きな使命を持っています。 1. 東京大学の国際求心力強化に寄与すること 2. 「2050年の地球と人類社会」を構想し、これに関わる分野横断型の研究を企画、展開すること 3. 最先端の研究成果や知を一般市民と共有すること どれも簡単なことではなく、試行錯誤で様々な試みを始めていた2020年初めに、新型コロナウイルス感染症による危機が私たちを襲いました。予定していた公開講演会などがすべて延期や中止となり、さてどうしたものかとカレッジの同僚と相談するうちに、この連続シンポジウムの企画が生まれました。 今回のコロナ危機の様相は極めて複雑で、一人の専門家の手には負えず、一つの学問分野では到底カヴァーできません。その全貌を把握し、将来を展望するためには、多方面からのアプローチ、すなわち分野横断型の研究を展開するしかありません。そこで、総合大学である東京大学の特徴を生かし、コロナ危機について深く知り、これに対処するために重要な6つのテーマを設定しました。それぞれのテーマについてこれまで何が分かっていて、何が分かっていないのか、これから私たちは何をなすべきなのかといった問題について、各分野の専門家の先生方にモデレーターをお願いし、オンラインで公開シンポジウムを開催することにしました。 オンラインのシンポジウムを同時にYouTubeで公開することは、私たちにとって初めての試みでした。幸い、カレッジの特任助教と特任研究員
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