TOKYO COLLEGE Booklet Series 2
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28 1. ココロロナナ禍禍がが私私たたちちにに改改めめてて認認識識ささせせたたこことと 今回のコロナ禍が私たちに認識させたことが幾つかあると思います。1つ目に、経済活動が集積と裁定によって生まれてきたということです。先ほど加藤先生がギャップによって利益を生み出すとおっしゃられましたが、裁定とはまさにギャップによって、あるいは交換によって利益を生み出す仕組みです。しかし、コロナ禍ではソーシャルディスタンスによって多くの経済活動が停滞してしまいました。 2つ目に私たちが認識したことは、そのギャップを埋めるに際してデジタル技術が極めて有効であるということです。ソーシャルディスタンスによって死にかけた経済活動は、デジタル技術によって活動レベルは低いながらもある程度維持することができました。また、これまでパブリックな場に出なければなかなか社会参加できなかった人たちが、デジタルによって社会参画の閾値が大きく下がり、集積であったり、多様な人たちの参画によって競争が生み出されるようになったりする側面もあったと思います。そうしたことを踏まえると、わが国ではこれまで、生産労働人口が減少することを何となく負の感覚として捉えがちだったのですが、今回の経験を通じてデジタルが解決策になるということを実感できるようになったのではないでしょうか。 3つ目に、人のデジタル技術との付き合い方に対して多様性も認識されるようになったと思います。今回のコロナ禍によって在宅勤務や人との非接触が長い間続くと、心身や健康にもたらす負の影響が少なからずあるということが認識され始めていると思いますし、その反面、マスクの着用やデジタルでの社交に居心地の良さを感じる人も少なからずいると思います。

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