TOKYO COLLEGE Booklet Series 3
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41 めて想像力を持ち直すためにどのような手掛かりがあるのか、一言ずつ教えていただければと思います。 小小野野塚塚 簡単に2つのことを申し上げたいと思います。1つは、民主主義を鍛え直すということは私も前から考えているのですが、第一次世界大戦はヨーロッパ諸国にとって、民主主義の対照的なあり方を最初に経験した危機的な状況だったわけです。大戦に入るときに民衆は、被害者意識と猜疑心によって特徴付けられるナショナリズムに衝き動かされて、敵愾心と参戦という誤った意思決定を政治家に要求しました。つまり、民主主義は常に正しいとは限らない、最適最善の意思決定をするとは限らないということです。 では、民衆はどういう状況において最善の意思決定をなしえたのかというと、非常に悲惨なのですが、飢え死にしそうになったときです。第一次大戦は、連合国と同盟国が相互に相手を飢えさせる戦争を足かけ5年間戦ったわけです。飢えそうになったときに、民衆は急に賢くなるのです。自分たちを飢えさせる政府を倒してでも、自分たちが生き残らなければならないと考えるようになります。こうして、民衆が引き金を引いて始まった大戦は終わりました。そういう点では、飢えることが持っていた現代的な意味といったことを考える必要があるのではないのでしょうか。 もう1つは非常に簡単なことで、最近の日本のメディアを見ていると、どちらかというと大本営発表に近いのではないかと思います。武田さんがまさにおっしゃったように、「自粛要請」という言葉がそもそも空回りしています。そういう言葉に対して何の疑問も投げ掛けずに、「自粛要請」を単純に繰り返すだけの大手メディアに対して、人々はもう少し声を上げるべきではないでしょうか。

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