10 済におけるニューノーマル、とりわけオンライン消費に焦点を当てて、今まで見えている姿から考えてみたいと思います。そして、現在非常に増えているオンライン消費が、コロナ禍がきちんと収束した後も増え続くのかどうかということについて考えたいと思います。 実は、大きなパンデミックの後にオンライン消費が増えたという有名な事例が、中国のアリババが運営するTaobaoという有名なeコマースサイトです。2003年ごろのSARS流行のさなかに立ち上げられました。中国は当時、SARSに非常に大きな影響を受けたので、そもそもTaobaoの立ち上げを一時とめた方がいいという話もあったのです。しかし、アリババ創業者のジャック・マーがいろいろなことを工夫しながらTaobaoをスタートさせました。その後のTaobaoの大成功は、皆さんご存じだと思います。SARSの前は、ほとんどの人はオンライン消費に興味がなかったのですが、SARSで家にとどまらなければならない状況に追い込まれる中、多くの中国の人はTaobaoを利用し、オンラインで物を買い始めました。SARSが落ち着いた後も引き続き利用し続け、SARSの前後でオンライン消費が一気に拡大しました。 そういうことが日本でも起きるかどうかに関心があるのです。日本は残念ながら、オンライン消費が中国や欧米に比べて後れていますが、コロナ禍によって随分増えています。それがコロナ収束後も続くかどうかを考えていきます。 今年に入ってからのクレジットカード取引額を見てみると、外食や娯楽、旅行が激しく落ちています。5月以降は底を突いてやや回復している傾向はありますが、横ばいです。それに対し、スーパーでの消費は活発に行われています。オンライン消費に的を絞ると、衣服や飲食品、医薬品、コンテンツ配信がまさにコロナ禍の渦中で急速に増えてきました。こうした状況が今後どうなっていくのか、考えてみたいと思います。
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