TOKYO COLLEGE Booklet Series 4
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42 らいの価値があって、1人追加するとどのくらい価値が増えるのかを非線形で表現しようとすると、多くの人たちはよく分からなくなると思います。しかし、これが分からないと、コロナにどう対処していけばいのか、コロナ後の社会をどう築いていけばいいのかという答えを出しようがないでしょう。 コロナ後の経済を考えたときに、恐らく今までよりはあまり集積しない方がいいだろうと何となくみんなが考えているはずです。しかし、あまりにスカスカになってしまうと集積がなくなってしまい、経済効率が破滅的に落ちてしまいますから、ちょうどいい頃合いがあるはずです。ただ、どのくらいの集積度合いがいいのか、経済学的研究が数字的なものも含めてしっかり言えないことには、ポストコロナの社会をデザインするのはなかなか難しい気がします。特に都市経済学では集積のことを集中して研究していると想像しますが、そうした人たちの知見を上手に生かしながら、疫学の知見と対応するような経済学の知見をみんなで再確認し、両方の議論を交わしながら適切な集積度合いを社会として選び取っていくことが求められると思います。 星星 非常に面白い点だと思います。集積経済は国際貿易や都市経済、経済地理、空間経済学などで扱われてきたと思いますが、どんなことが行われているのか、それがなぜ理想的な水準まで達していないのか、空間経済学が専門の川田さんにお話しいただきたいと思います。 川川田田 集積に関する研究はかなり進んでいますが、メッシュがかなり広いのが現状だと思います。例えば都道府県レベル、国レベルでは非常に精緻な分析がたくさんありますが、コロナの時代に求められる500m、100m、50m、5mといった範囲の分析は研究実績が足りていないと思います。これまでそのような規模で扱えるようなデータがなかったことが大きな理由であり、狭い地理的範囲まで落とし込んだ理論をどうやって確かめたら

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