TOKYO COLLEGE Booklet Series 4
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45 星星 重要な課題として、データの活用ということが浮かび上がってきたと思います。今まで蓄積があまりなかったデータを集めて、研究に活用できなかったデータを活用できるようにして、因果推論を通じてエビデンスに仕上げて、政策に使っていくことが求められるのだと思います。エビデンスは必ずしも統計的な推論だけではなくて、なぜこういう制度が出てきたのかという歴史も含まれてくると思います。また、データやエビデンスを政策に生かしていくためには、費用効果分析が重要になります。その辺の動きについては他国に比べても日本は後れており、そこを解決していくことが重要な課題となっていると思います。 最後に皆さんに一言ずつ、データを巡るいろいろな課題について、日本はどの点で後れているのか、日本がデータをもっと蓄積・活用するためには、政策に生かしていくためにはどんな工夫が必要なのか、コメントを頂きたいと思います。特に大学が果たせる役割は大きくて、東大で何か具体的に取り組んでいくといいのではないかというところまで突っ込んで話していただければと思うのですが、どうでしょうか。 岩岩本本 今回のCOVID-19では、診療所も含めた医療機関に患者が押し寄せて大変なことになっていると思っていたのですが、実はほとんどの医療機関はむしろ患者が来なくて経営が悪化しており、そのことがなかなかつかめませんでした。そうしたデータはレセプトデータとして全体の医療費が集計され、2~3カ月後に初めて分かるのです。感染症に関するデータも日々動いているのですが、すぐには取れません。医療は経済活動の中で消費に分類されていて、他の消費はPOSデータで取れるのですから、病院や診療所のレジのデータが日々集まれば、どういうふうに医療が動いているのかということがデイリーでつかめるはずなのです。 そこまで行かないのはいろいろと理由があって、医療データには制約が非常に大きいので、改善が必要だと思います。それから、戦略を立ててデ

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