TOKYO COLLEGE Booklet Series 5
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13 1. 国国連連シシスステテムムととCOVID-19 アントニオ・グテーレス国連事務総長は、パンデミックは「持続可能な開発のための2030アジェンダ(Agenda2030)」未達の言い訳にならないと述べています。そもそも経済的な発展がなければ、様々なグローバル目標の達成はこれまでも難しかったし、Agenda2030の達成も難しいでしょう。COVID-19によって貧困人口が再び増大して10億人を超えてしまうのではないか、あるいは収入が減って食料にアクセスできない人が増えてしまうのではないか、あるいは余命も低下して、GDPに代わる指標として提案されている人間開発指数が1990年以来初めて低下するのではないかといった、いろいろな心配があるわけです。また、世界の難民や避難民の数も、COVID-19の影響で最多の8000万人近くに上るため、国連は紛争停止を呼び掛けています。 さらに、COVID-19以外にもさまざまな危機が同時に進行しています。深刻な気候変動もCOVID-19のように急性ではなく緩慢に進んでいるので、対策を忘れてはなりませんし、COVID-19の対策を行ってより良い社会にするに当たって、「Build back better in green」と言っています。ここで言うgreenとは、気候変動対策を考慮した復興を意味します。 ただ、COVID-19でも、自分の生業を変えなければならなかったり、仕事を辞めなければなかったりするぐらいだったら感染した方がいいというのと同じように、自分の仕事を変えなければいけないのだったら気候変動が起こってもいいと思い詰めてしまう人もいるかもしれません。そういうふうに追い詰められる方々が生じないような対応をしていく必要があるのではないかと思います。

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