TOKYO COLLEGE Booklet Series 6
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11 1. 「「指指定定感感染染症症」」へへのの指指定定ととデデーータタ収収集集体体制制 日本では1月28日に、新型コロナウイルスを感染症法の「指定感染症」に指定しました。世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した1月31日より少し前に法的な指定をしたことになります。実はこの「指定感染症」への指定が、データ収集の根拠として非常に重要な役割を果たしていると思います。 「指定感染症」に指定されると、感染症患者の届け出が義務付けられることになります。2月4日には基準が公表されました。従来の感染症とは特性に応じて基準が異なるのですが、新型コロナウイルス感染症においては疑似症患者にも適用されていますし、無症状の病原体保有者にも届け出義務が適用されている点は、データ収集にとって非常に重要なことです。診断・死亡した場合の届け出も義務付けられています。 診療機関が届け出る書類の書き方について、PDFあるいはWordで各都道府県の保健所などから通知され、これを各病院・医療機関がダウンロードし、書面を作って届けることになりました。実際には現場でドクターが記入します。5月13日には、症状の記載欄が改定されました。おおよそ2~3カ月たった時点で感染症の多彩な症状が分かってきたためで、症状の項目に「嗅覚・味覚異常」などが追加されました。嗅覚・味覚異常というのは、国内でも3月下旬から何例か報告があって、ニュースにもなっていましたけれども、具体的に症状に追加されて収集できるようになったのは5月に入ってからになります。こうしたタイムラグがあるのです。紙やファクスによるデータ収集が、情報収集の精度やタイムラグの面で問題だというのは明らかで、厚生労働省もかなり早い段階で、電子化して1つのクラウドコンピュータに集めることにしました。

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