TOKYO COLLEGE Booklet Series 6
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31 だろうと思います。その下で具体的な目的の特定、あるいはその範囲での情報の利用、透明性の確保、安全管理措置、それからプライバシー影響評価(PIA)を行い、そのことについて組織内外の第三者の監督を受けるといった基礎が整うことで、高度なデータの利活用が可能になると思っています。 そのような各組織、組織間のデータガバナンス体制については、プライバシーリスクを的確に発見・評価した上で、プライバシーの懸念があるから何でもやってはいけないということではなくて、公益の内容や性質、実効性、公平性や差別といったさまざまな問題についての複雑な比較衡量を行う判断能力や、制度を適法かつ実効的に構築・運用できるガバナンス体制、また政府においては、民間企業と協力でき、適切な有識者を使いこなせるような行政公務員の育成も今後求められていくと思います。

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