TOKYO COLLEGE Booklet Series 6
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35 なかった面が正直あると思います。分析結果や研究結果をアナウンスすることが非常に大きな影響力をもつようになったということは、それだけ責任も重くなったということだと思います。 渡渡部部 未来の予測をすることは、工学的な観点からは正しいかもしれませんが、そのアナウンスが社会とインタラクションを起こしてしまうのをどう扱うかというのは、結構新しい視点なのでしょうね。 宍戸先生は、Yahoo!・厚労省の情報提供協定と接触確認アプリの話をされました。この期間にやはりデータガバナンスの脆弱性はお気付きになったこととしてお話しされていましたが、加えてご感想があれば伺いたいと思います。 宍宍戸戸 政府だけでなく、データを取り扱う全ての主体について、その組織・手続きがしっかりしなければいけないということを改めて痛感しました。同時にそれは、政府や日本社会全体で進めてきたSociety 5.0という施策が必要であったし、さらに加速させていかなければいけないということを改めて感じた、この数カ月だったと思います。 その観点で大江先生のお話に関連付けると、次世代医療基盤法という仕組みができたわけですが、感染症対策のときにどこまで有効に使えるのかとか、あれで不十分であれば、類似の仕組みを考えたり、仕組みを直したりすることも含めて、それまでの議論の積み重ねの中で生かせるところは生かす、違うところは大胆に変えていくような発想が必要だと思います。 また、和泉先生がおっしゃられたことにも関わりますが、さまざまな出自のデータが使えること、情報システム間の連携ができることのメリットとリスクを明らかにして、きちんと議論していくことの必要性が高まってきており、さまざまな研究者の連携が求められる時代に突入したと感じています。

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