TOKYO COLLEGE Booklet Series 6
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39 渡渡部部 このシンポジウムも数カ月前まで、オンラインでやるとはわれわれもほとんど考えていなかったと思います。でも、実際やってみるとオンラインで相当できると思いますし、今までリアルの中にバーチャルがところどころにあった世界が、むしろバーチャルオンラインの世界の中にリアルの島があるような社会設計になっていくと思います。でも、これは結構難しいと感じています。大学もオンライン教育でやっていますが、リアルというのは何が本当に必要なのかというような議論が医療でもなされていくのでしょうか。 大大江江 そうだと思います。ただ、いい面は数限りなくあります。例えば受診勧奨された高血圧の患者がなかなか医療機関に行きたがらなかったのが、職場にいながらオンラインで10分で診察してもらえるので、生活習慣病の患者の診療を密にできるメリットは大きいのではないでしょうか。 渡渡部部 それもデータ利活用のテーマが関係していますね。和泉先生の分野ではニューノーマルは見えてきたでしょうか。 和和泉泉 ニューノーマルに向かって主に工学の研究が変わる点は二つあると思います。一つは、全てがバーチャルだと実は楽なのです。これからバーチャルとリアル、もしくはサイバーとフィジカルが混ざった状況が実はいろいろ難しい問題があると思います。われわれの講義でも全てオンラインの方が楽なのですが、リアルとリモートで見ている人が混ざった場合、結構やりにくいと思います。例えばデジタルを駆使している人とフィジカルで見ている人を混ぜた場合に、うまくインタラクションできるようにすることがニューノーマルに向けた工学的な大きなチャレンジだと思います。 もう1つは、少し大きな話ですけれども、特に社会データや行動データを扱うような工学研究に関しては、今までであれば既にデータやサービス

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