TOKYO COLLEGE Booklet Series 6
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41 きるように、リアルの側もサイバーの側も変えていかなければなりません。そういった社会のグランドデザインが必要になってきていると思っています。 また、ニューノーマルでもう1つ考えておかなければならないのは、今まで以上に専門家が政治や社会的な議論に巻き込まれるという、和泉先生が指摘された論点だろうと思います。例えば法律を作る場合にも、立法事実が必要だ、科学的なデータが必要だとよくいわれるのですが、これまで実際にはそんなに使われていなくて、審議会で何となく専門家がこう言ったからということで法律を作っているのです。ただ今後は、感染症対策だけでなく全ての問題について、科学的なデータに基づき、それを専門家が評価し、しかもその評価は複数あり得る中で、政治や行政が1つの評価を選択して仕組みを作り、問題がある場合にはきちんと検証した上で直すような仕組みが社会から求められるだろうと思います。そういった中で、開かれた議論で正しさを追求し続けると同時に、それがたこつぼ化しないような、総合的な学知の拠点としての大学の役割が今後大きくなるべきではないかと思います。 渡渡部部 本当の意味で政策のオルタナティブを提示するようなデータは現実になかなか難しい面があるのですが、今回のようなことがあると、まさしくそういうものがしっかりしていることがとても重要だし、社会を変えてしまうという恐怖感のようなものがあります。ちょっとしたデータのエビデンスの違いやコミュニケーションの違いで、この先ニューノーマルのいい姿に行くのか、悪い姿に行くのかという踊り場の場面を、今回のコロナ危機がつくってしまったという感じがしています。 最後に、宍戸先生は大学の話をされましたが、われわれは研究者としてさまざまな議論をしている中で、大学におけるデータの活用の問題やデータのガバナンスの問題など、大学自体の問題が当然あるわけです。先ほど

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