TOKYO COLLEGE Booklet Series 7
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18 それにどう対抗していくのか。そしてこれは宇野先生の年来の主張でもあるのですが、疫病を通じて行政権が拡大し過ぎているのではないか。行政権・立法権・司法権の三権が牽制し合うことが必要であるにもかかわらず、そこが簡単に突破され、生命を管理する行政権力が一挙に広がる中で、果たしてデモクラシーをどう考えていけばいいのか。宇野先生は、平等と公正の回復による良き統治が必要であろうと提案されています。その際に宇野先生が強調していたのは、事実をきちんと記録することをないがしろにしては、デモクラシーのアップデートにはならないのではないかというご指摘でした。 図らずも3人の先生方から、民主主義を鍛え直す、意思決定を考え直すという提案を頂きましたので、「価値」というテーマに関してはそれなりの方向性は出せたと思っています。 シシンンポポジジウウムム④④「「経経済済」」 星星 岳岳雄雄((経経済済学学研研究究科科教教授授++東東京京カカレレッッジジ特特任任教教授授)) 4回目は「経済」をテーマに、経済学研究科関係の経済学者として岩本康志先生、川田恵介先生、宮川大介先生、渡辺努先生の4人をお招きし、今のコロナ危機で経済に何が起こっているのか、今後の課題は何なのかを議論しました。 経済といってもいろいろな分野がありますが、消費を見ると、自粛生活のために全てオンラインになっていくような印象があります。しかし、データをよく見ると、消費におけるニューノーマルは言われているほど大きい変化ではありません。オンライン消費は増えていますが、今まで全くオンライン消費をしていなかった人がオンラインで買うようになったので

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