TOKYO COLLEGE Booklet Series 7
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20 多くの分野で不可逆的な変化が起こっていると思われる一方で、消費のように一般に思っているほど変わっていない分野もあるのが現状だろうと考えられます。 そこで今後の課題として、現状を理解する上でも、有効な政策を立てていく上でも、タイムリーなデータが必要だという指摘が繰り返し出てきました。 行政データに限らず、民間機関が集めているデータも補完的に使用しながら、もっと分析していかなければならないし、消費、雇用、企業、生命と経済という全ての分野で、プライバシーには配慮しなければならないけれども、データをもっと活用しなければならないのではないかという指摘です。 その中で、大学の役割は大きいのではないか。官庁のデータも民間のデータも、プライバシーに配慮しながら活用し、そこから因果推論によってエビデンスを構築するのに最も適しているのは、大学という中立的なところではないかという指摘がありました。 また、生命と経済のバランスの両立に関しても、データと科学的エビデンスに基づかなければならないという点も指摘されました。 最後に、感染症のモデルなど他の分野に比べて、経済学のモデルは遅れているという指摘がありました。その最大の原因はデータの不足なので、ここでもデータが重要であるということが一大テーマです。政府、民間、大学が協働してデータを収集・分析し、エビデンスを蓄積して、それを活用していくことが重要だという観点に至りました。

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