TOKYO COLLEGE Booklet Series 7
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29 多いのも事実です。この場合、専門家はどのように行動すればよいでしょうか。また、無症候性感染者に関して私たちはどのように予防と管理をすればいいのでしょうか。 南南学学 われわれからの情報提供の仕方については、当然分かっていることと分かっていないこと、分かっていることでも確実に分かっていることと恐らくそうであろうと思われていることがあります。そうしたことを明確に伝えることが重要で、透明性は非常に大事だと思います。さらに、メディアはどうしてもセンセーショナルに、かつ単純化して伝える傾向があるので、われわれとしては間違った伝え方をされないようにきちんと注意しながら情報を出していく必要があると思っています。 無症候者に関する検査は、現実問題として非常に重要ですが、無症候者に対するスクリーニング検査は、検査自体の感度がそこまで高くないことと手間がかかることから現時点では推奨していません。感染が疑われる人に関しては、必ずスクリーニング検査をすべきですが、無症候者のスクリーニング検査に関しては現時点でやるべきではないと考えられています。ただし、社会的理由などで定期的に検査をしなければならない人はどうしてもいます。そういった方には、医療提供側や検査を受ける本人にあまり負担がかからない方法で、安価で大量に検査ができる方法を開発し、それを行う必要があるという認識は一致していると思います。 無症候者が感染を広げていくことが非常に重大な問題なので、これに関してはわれわれが行動変容していくしかありません。マスクの着用、換気、在宅勤務の励行、ソーシャルディスタンスといったことにより、無症候者からの感染を防ぐことが今後の社会では非常に重要だと思っています。 羽羽田田 無症候者が健常者になるというタイミングはあるのでしょうか。

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