TOKYO COLLEGE Booklet Series 7
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32 リアルな世界では、必ずしも自分が望んでいないもの、場合によっては不得意なものや嫌いなものにも偶然巡り合ってしまいます。私自身が研究を進めている上でも、そういったところに実は研究のヒントが多々あったわけです。 その機会が、リアルの世界の中にどうしてもバーチャルに置き換えられないものとして存在していて、そこが失われていってしまうのは今後大きな脅威になっていくのではないでしょうか。特に創造性を人間の基本的な動機の一つとして考えるとすれば、創造性に最も関わるであろう部分がバーチャルだけでは不十分になってしまうのではないか。そのあたりは非常に懸念されるところであり、逆に言えばフェース・トゥ・フェースの価値の再定義はそのあたりにあるのではないかと感じています。 赤赤藤藤 とても素敵な指摘だったと思います。特に、最初は物理的な世界でつくり出されたコンセプトや在り方がバーチャルに移ったという意味で、まず物理的なものの大切さが一つあって、その次に偶発的なものに巡り合う可能性を与えるものとして物理的なものがあると聞いて、とても面白いと思いました。もしかしたら、これからはまずバーチャルの世界で始まったことが、次に偶発的なものを求めるためにリアルの物理的な世界で話されるかもしれません。 横横張張 そういうことは十分あり得えます。ですから、逆に言うと、東京都心はそのための場としてこれから変化を遂げていくことになるかもしれません。 Baldari 続いて、中島先生への質問です。「価値」のセッションでは、民主主義の基礎と民主主義のアップデートの必要性について論じられ、神話化された科学主義への恐れと無責任という論点についてもディスカッションされました。一方で、パンデミックの際は、健康と生命を守るための

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