TOKYO COLLEGE Booklet Series 8
28/66

26 私はワンボイスにとらわれず、いかに質を高める情報発信をするかを考えたグループボイスを提案しました。 2. ググルルーーププボボイイススのの特特徴徴 グループボイスとはグループ(特に学会等)で意見をまとめて発出することであり、危機時の科学情報の貢献の在り方だと思っています。先ほど、日本医学会連合でオピニオンをまとめていると聞いてまさにグループボイスだと伺いました。 グループボイスでは、研究者が1人ではなくグループで、できれば学協会レベルで情報を提供してほしいと考えています。グループといった際に、異なる分野の多様なグループの意見収集することは迅速性の面では難があり、最大規模で同じ学協会レベルを想定しています。同じ分野だからこそ、相互チェックが効くという点で、同じ研究分野のグループが徒党を組み、グループあるいは学協会レベルで発表することが、情報の質を保った迅速な情報発信を可能にすると考えています。 ワンボイスの考えの根底には、多くの情報があると国民が混乱するから、という考え方があります。緊急避難などが必要な際、一定度、ワンボイスが必要なことも理解します。しかしリスクと社会の判断が複雑に絡む現状で、果たしてそれでよいのかと思います。住んでいる場所や家族構成によっても必要な情報や行動は異なってくるでしょう。そうした判断を個々に行う判断を助けるのに他の情報が同時にあってはいけないという考え方にもつながり問題が多いと感じます。合意形成が一つであるべきかどうかという問題にも関わってきますが、やはり多様な面で分析し、発表していくことがある程度は必要だと思っています。従って、複数のグループボイ

元のページ  ../index.html#28

このブックを見る