48 思っています。地震研でもオープンキャンパスのときに一般公開をしており、丁寧に対応するようにしています。平時からのコミュニケーションで信頼関係を築くことで、何かあったとき、有事や危機があったときにも信頼してもらえるのだろうと思います。 異分野という点に関しては、普段からいろいろな分野の人と交流を深めることは重要だと思っています。地震学も理学的な地震のこと以外に防災や原子力発電の問題、最近は古い地震を調べるために東大の史料編纂所と一緒に連携研究機構を組んでおり、まさにいろいろな分野の人と共同研究をしています。分野が違えば、理工系でも理学の人と工学の人では考え方が全く違うのです。そういうことを普段からお付き合いしてよく考えることは重要だと思っています。 藤藤垣垣 最初の質問で、一般市民が積極的な行動として何ができるか、専門家に対してどういう働き掛けができるかということに関しては、幾つかの機会があります。例えば、遺伝子組み換えに関しては、北海道大学が主に実施しているコンセンサス会議があります。あるいはサイエンスカフェに行ったり、オピニオンを新聞に載せてみたり、いろいろな方法があると思います。 異なる分野の協力に関しては、知識以外に関わる意思決定、バルダリさんの言葉で言えば価値に関わる意思決定についてどう思うかという質問でしたが、4月に組織された専門家会議では価値に関わることは非常に大事だったと思います。つまり、健康を守るという価値を持った人たちと、経済活動を守りたいという価値を持った人たちが、4月の段階ではあまりちゃんと戦うことができませんでした。そのときの委員だった人が、当時の専門家会議が描いていた像の中に経済的な価値が入り込めなかったという言い方をしていました。ですから専門家会議は、なるべく多様な価値
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