53 大大竹竹 幾つかご質問が視聴者の方から来ていますので、できる限りご披露していきたいと思います。「私は大学生なのですが、大学生として今できることはありますか。これから専門家になる立場として、気を付けるべきことはありますか」。 藤藤垣垣 これは後期教養と関係しますね。東京大学では、「後期教養」といって、専門教育を受け始めたあとの教養教育を設計しています。質問者の方が大学生としてできることは、まず専門の勉強をすることは当然ですが、他の分野にも十分興味を持って勉強することだと思います。それから、専門を学び始めたら、自分の専門で何を学んでいるかということを必ず他の分野の友達に説明してみてください。そうすると科学コミュニケーション能力は日々鍛えられます。視野を狭く持たないことと、自分が日々行っていることを説明する経験を持ち続けることという2点だけで、20年も30年もすれば差が付くと思います。頑張ってください。 大大竹竹 本学ではダブルメジャーの方で科学コミュニケーションなどもいろいろやっていますので、非常に重要な点だと思います。 「そもそもなぜ、国民が情報を得ると『パニック』になるという仮説がまかり通るのでしょうか」。 佐佐竹竹 まさにscience in makingで、もちろん地震学者にもいろいろな考え方があって統一はされていないのですが、先ほど言ったようにマルチボイスが重要だと思います。ただ、危機のときに国民がパニックになるというのはやはりあるのです。学者がいろいろなことを言っていたときに、そもそもサイエンスに不確実性があることを分かっていただければいいのですが、危機のときにはなかなかそうはいかないからワンボイスになっているという話が先ほどあったと思います。現状のコロナも似たようなところがあるのではないかと思います。
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