55 ないでしょう。それから、コミュニティやグループとして信頼性のある言葉を出していくことが必要ではないでしょうか。それによって、それぞれの活動の中で人々と社会との信頼醸成ができるのだと思います。 やはり政策決定者(政治家、行政官)は何か決めなければならなくて、社会のリーダーとして、科学は絶対的ではないということは理解するけれども、その決定の責任は自分にあります。また、科学的助言者(科学者、専門家)は科学的な正しさを追究しますが、事実を曲げることなく理性的に解決策を示す努力が必要です。ただ、科学には奥行きがあり、科学固有の確率性、不確実性、現代科学の不完全性、そして科学者という人間が扱っている以上、多様性があると思います。この政策決定者と科学的助言者という二つの文化の違いを埋めていくことが、これまで以上に科学と社会の間で重要になってきて、そこには今日ご登壇いただいた先生方の活躍が重要だと思います。 今日はあっという間に2時間半が過ぎてしまいましたが、先生方に十分意見をご開陳いただきました。ただ、東京カレッジとしては今後コロナだけではなく、こうした社会と科学の問題は重要だと思っています。引き続きいろいろな形でサークルを広げていきたいと思う次第です。最後に一言ずつ、ご発言があればありがたいです。 横横山山 私自身、先生方に大変勉強させていただきました。研究者集団の中にいる立場として、グループボイスのより精密な考え方や科学者信頼をさらに検討していきたいと思っています。 藤藤垣垣 先ほどの「国民がなぜ情報を得るとパニックになるという仮説がまかり通るのか」という質問は、私も大震災直後によく考えたことです。パニックになると考えるからこそユニークボイスにしなければならないと考えるわけですが、それは国民の科学リテラシーを非常に低く見積もるか
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