建築と科学の歴史
科学は建築に依存し、建築は科学に依存しています。イギリス王立協会の初期の建築物に始まり、数百万ドルが投じられた現代の天文台に至るまで、科学と建築は近代以降不可分であり、より持続可能な建築の追求が続いています。科学と建築の結合は特に日本ではっきりと見られます。日本の場合、「科学」と「建築」という近代的概念が同時に輸入されて制度化され、思想の予期せぬ融合が多々生まれました。私の関心は、科学活動に観察・実験の場を提供するために建築がどのように利用されてきたのかにあります。加えて、認識の価値を高め、変化させるために建築が概念的対象としてどのように用いられてきたかにも関心があります。
このテーマに関する研究には、日本における天文台の歴史を、特に国際的協働の領域として叙述する大きなプロジェクトも含まれています。そのほか、建築と昆虫学の近代的交差、具体的には、日本の植民地時代の科学者と建築家が1910年代に、タイワンシロアリの脅威を理解するためにどのように協働したかに関する論文を近く発表します。この論文では過去の写真や報告書を検討し、建築とヒト以外の動物(シロアリ)との出合いを官僚がいかに利用して、帝国にとって潜在的に危険な相互関連性を視覚化しようとしたかを明らかにしています。このテーマに関する過去の研究としては、19世紀の建築思想に地質学が与えた影響に関する論文、日本における初期天文台に関する学会発表などがあります。
Output:
(Forthcoming) “Termites, Torii, and the Un-Making of Japanese Colonial Architecture,” in Journal of Architecture, special issue on “Un-Making Architecture,” edited by Elizabeth Petcu and Jason Nguyen. “The Architectural Fossil: James Fergusson, Geology and World History,” in Architectural Theory Review 20.1 (2015), 46-66.