疫情蔓延与樱花飘落之间,思考仍在持续—介绍东京大学国际学术研究所(Tokyo College)的学术活动 コロナ蔓延と桜吹雪の中でも思考は止まらない—東京大学国際高等研究所(Tokyo College)学術活動のスケッチ
現在東京カレッジに滞在中の葛兆光教授が、中国の知識人に向けて東京カレッジを紹介する文章をお書きになりました。先生が東京カレッジをどのようにご覧になっているのかが率直に綴られています。北京大学人文社会科学研究院のウェブサイト(www.ihss.pku.edu.cn)とWeChatでまもなく公開されるそうです。先生の許可を頂きましたので、東京カレッジのブログ欄でも紹介します。訪問研究員の張厚泉先生が日本語に翻訳して下さいました。両先生に深く感謝します。
羽田 正
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去年年底,我应邀到东京大学国际学术研究所(日文:东京カレ-ジ,英文:Tokyo College)担任特任教授八个月,原本想借这个机会多看些新的日文书,毕竟这些年一直忙碌,难得有机会定下心来细读;也想看看东京大学新成立的这个研究机构,怎样沟通人文与科技两界,毕竟这里聚集了好些自然科学与人文学科的顶级学者。今年的1月和2月初,一切都很顺利,在这里我陆续听了诺贝尔奖得主梶田隆章、日本外交官兼原信克、德国日本语言学者Szabo等的讲座,进行了几次午餐讨论和关于“认同”问题的Seminar。
没想到,刚刚过了二月中旬,新冠病毒就从中国横扫世界,日本东京也不能幸免,于是,一切都停顿下来,就连预定的第二次关于“认同”的讨论,也只能通过Zoom进行。
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东京カレ-ジ是一个很新的机构,说白了就是一个高等研究院,去年(2019)才刚刚成立,据东京大学副校长,也是这个研究院的院长羽田正教授说,它的建立是东京大学为了推动学术交流的国际化,及人文社会科学与自然科学之间的对话。院长羽田正教授是伊斯兰世界史的专家,一直在日本提倡“新世界史”,他有一个著名的说法,就是应当培养“地球居民”,而这个“地球居民”的英文,不是world citezen而是residents of earth。为了培养未来的“地球居民”,学者的责任就是普及世界上一切美好而有意义的学问,传播共享资源和关爱地球的文化。所以,从这个研究所成立起,就一方面聘请各学科各领域的顶尖学者,进行面向公众的演讲,一方面聘请不同领域的各国教授,在一起进行跨学科跨地域的交流。
如果你看东京大学东京カレ-ジ的网页(https://www.tc.u-tokyo.ac.jp/),你会看到,前面提到的院长羽田正是伊斯兰及世界史专家,而两位副院长佐野雅己和大竹晓,则分别是资深的物理学家和科技政策专家。邀请担任名誉院长的是Sir Anthony J.Leggett,一个2003年诺贝尔物理学奖获得者,低温物理学界的领袖。而研究所成员则囊括了三位东京大学的卓越教授,一位是刚才我们提到的诺贝尔奖得主梶田隆章,其他两位是物理学家十仓好纪和化学家藤田诚,他们都获得过日本学士院赏和紫绶勋章,也是日本科学界寄予很高期望的学者。此外,还有环境学家味埜俊和经济学家星岳雄。至于海外邀请的学者,目前虽然以人文学界为主,当然也不乏自然科学家,除了现在在任的哈佛大学历史系讲座教授、日本近现代经济史专家Andrew Gorden,和德国杜宾根大学教授、日本语言与文化研究专家Viktoria E-Szabo,以及我本人之外,2019年11月也曾经邀请过化学家、诺贝尔奖得主李远哲,科学史家、瑞典皇家科学院原会长及诺贝尔博物馆第一代馆长Svante Lindqvist,以及国际关系学家、韩国首尔国立大学的日本专家朴哲熙(PARK Cheol Hee)。
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昨年末、東京大学国際高等研究所東京カレッジに8か月の予定で特任教授として招かれた。ずっと仕事に追われ集中して読書できる機会をあまり持てずにいた私は、この機会に、新しい日本語の著書をまとめて読もうと考えていた。また、東京大学に新設されたこの研究機構で、人文社会と科学技術という二つの輪をどのように融合させることができるか、それを見てみたいとも思っていた。ここには、たくさんの自然科学と人文科学のトップクラスの学者が集まっているからだ。 今年の1月から2月上旬までは、至って順調だった。ノーベル賞受賞者の梶田隆章氏、外交官の兼原信克氏、ドイツの日本語言語学者エシュバッハ氏の講演などを続けて拝聴した。何回かのランチミーティングがあり、それとは別にアイデンティティに関するセミナーも開かれた。
しかし、予期せぬことが起きた。2月中旬、新型コロナウイルスが中国から世界に蔓延し、東京も無事ではすまなくなったのだ。2月末からはすべての活動が停止し、予定された2回目のアイデンティティに関するセミナーでさえ、ZOOMを通じて実行することとなった。
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東京カレッジは新しい組織であり、昨年(2019年)設立された高等研究所である。東京大学副学長でカレッジ長でもある羽田正教授によると、東京カレッジは、東京大学における学術交流のさらなる国際化と、人文社会科学と自然科学の間の対話を促進するために設立されたという。カレッジ長の羽田正教授は、イスラーム世界史の専門家で、日本で「新しい世界史」を提唱しており、「地球の住民」を育成すべきだという有名な構想をもつ人物だ。この「地球の住民」の英語は、‛world citizen’ではなく、‛residents of the earth’である。 将来の「地球の住民」を育成するためには、学者は、世界のすぐれた有意義なすべての学問を普及させ、資源を共有し地球を大切にする文化を広めなければならない。それゆえ、この研究所が設立されて以降、さまざまな研究分野からトップクラスの学者が招かれ講演を行い、また、異なる分野の各国の教授を招いては、学際的かつ地域を越えた交流を行っている。
東京大学東京カレッジのウェブサイト(https://www.tc.u-tokyo.ac.jp/)を見ると、前述の羽田正カレッジ長がイスラーム及び世界史の専門家であることが分かる。副カレッジ長の佐野雅己氏と大竹暁氏は、それぞれ物理学者と科学技術政策の専門家である。名誉カレッジ長として招かれたアンソニーJ.レゲット(Sir Anthony J. Leggett)氏は、超低温物理学のリーダーで、2003年のノーベル物理学賞の受賞者である。カレッジのメンバーには、東京大学の卓越教授3名が含まれ、1名はさきほど取り上げたノーベル賞受賞の梶田隆章氏で、もう2名は物理学者の十倉好紀氏と化学者の藤田誠氏である。いずれも日本学士院賞と紫綬褒章の受賞者で、日本の科学界で高い期待が寄せられている学者である。さらに、環境学の専門家である味埜俊氏と経済学の専門家である星岳雄氏がいる。海外からの招聘学者については、現在までは主に人文科学分野の人が多いが、もちろん自然科学者もいる。現在滞在中のハーバード大学歴史学科の講座教授で、日本近現代経済史の専門家であるアンドリュー・ゴードン(Andrew Gordon)氏、ドイツのチュービンゲン大学教授で、言語文化研究の専門家であるビクトリア・エシュバッハ・サボ(Viktoria Eschbach-Szabo)氏と私自身のほかに、これまでに、化学者でノーベル賞を受賞した李遠哲氏、科学技術史の専門家でスウェーデン王立科学アカデミー元会長であり、ノーベル博物館の初代館長の スヴァンテ・リンドクヴィスト(Svante Lindqvist)氏、及び国際関係学者で、韓国のソウル国立大学の日本専門家である朴哲熙(PARK Cheol Hee)氏らが招かれていた。