公共経済学とマクロ経済学の分野で、主として動学的要素が問題となる政策課題を対象にした研究をおこなっている。最近は、社会保障と財政政策の比重が高くなっている。社会保障に関しては、社会保障制度がもつリスク吸収機能をミクロデータによって評価すること、将来の人口高齢化に対応できる社会保障制度の制度設計を課題としている。財政政策では、安定化政策における財政政策の役割、行動厚生経済学の観点からの租税・支出政策の評価手法を研究している。
1987年-1990年 大阪大学社会経済研究所助手
1990年-1991年 大阪大学経済学部講師
1991年-2002年 京都大学経済研究所助教授
2002年-2005年 一橋大学大学院経済学研究科教授
2005年-2018年 東京大学大学院経済学研究科教授
2018年-2020年 国立国会図書館調査及び立法考査局専門調査員
2020年- 東京大学大学院経済学研究科教授
著書
『経済政策とマクロ経済学』,日本経済新聞社,1999年10月(大竹文雄,齊藤誠,二神孝一と共著)
『金融機能と規制の経済学』,東洋経済新報社,2001年10月(齊藤誠,前多康男,渡辺努と共著)
『マクロ経済学』,有斐閣,2010年4月,新版2016年4月(齊藤誠,太田聡一,柴田章久と共著)
『健康政策の経済分析』,東京大学出版会,2016年12月(鈴木亘,両角良子,湯田道生と共著)
『財政論』,培風館,2019年4月(本間正明と著者代表)
論文
「日本の公共投資政策の評価について」,『経済研究』,第41巻第3号,1990年7月,250-261頁
“Do Borders Matter? Evidence from Japanese Regional Net Capital Flows,” International Economic Review, Vol. 41, No. 1, February 2000, pp. 241-269 (with Eric van Wincoop).
“The Fiscal Investment and Loan Program in Transition,” Journal of the Japanese and International Economies, Vol. 16, No. 4, December 2002, pp. 583-604.
“Policy Options for Financing the Future Health and Long-term Care Costs in Japan,” in Takatoshi Ito and Andrew Rose eds., Fiscal Policy and Management in East Asia, Chicago: The University of Chicago Press, 2007, pp. 415-442 (with Tadashi Fukui).
“On the Consumption Insurance Effects of Long-term Care Insurance in Japan: Evidence from Micro Household Data,” Journal of the Japanese and International Economies, Vol. 24, Issue 1, March 2010, pp. 99-115 (with Miki Kohara and Makoto Saito).
“A Reappraisal of the Incidence of Employer Contributions to Social Security in Japan,” Japanese Economic Review, Vol. 61, No.3, September 2010, pp. 427-441 (with Junya Hamaaki).
「政府累積債務の帰結:危機か,再建か」,日本財政学会編『「社会保障・税一体改革」後の日本財政』,有斐閣,2014年10月,99-115頁
「医療・介護保険の平準保険料方式への移行」,『季刊社会保障研究』第50巻第3号,2014年12月,324-338頁(福井唯嗣と共著)
「特定健診・特定保健指導の効果測定:プログラム評価の計量経済学からのアプローチ」,『医療経済研究』,第27巻第1号,2015年7月,2-39頁(鈴木亘,湯田道生,両角良子と共著)
「医療・介護政策におけるEBPM:医療費適正化政策の施策効果を検証する」大橋弘編『EBPMの経済学』東京大学出版会,2020年2月,145-171頁
NIRA大来政策研究賞、2002年(『社会福祉と家族の経済学』東洋経済新報社刊に対して)
日本経済学会・石川賞、2008年
日経・経済図書文化賞、2016年(『健康政策の経済分析』東京大学出版会刊に対して)