寺田 悠紀 - 東京カレッジ
東京カレッジ
特任助教

寺田 悠紀

研究分野 地域文化研究(イラン)、ミュージアム、視覚文化
01 研究概要

ミュージアムが人間集団や帰属意識をどのように分割、または統合することに活用されてきたのか、統治システムをめぐり変動するミュージアムにおいて自己の文化と他者の文化がどのように定義され、収集・展示されてきたのか、などに関心を持ち、中東イスラーム諸国における事例を中心に研究している。博士論文Museum for Whom? The Evolution of the Museum and “Iranian Art” in Iran(ミュージアムは誰のものか?イランにおけるミュージアムと「イラン美術」の成立と展開)では、ゴレスターン宮殿の王のミュージアム(1876 年創設)、古代イラン博物館とイスラーム時代博物館から成るイラン国立博物館(1937年創設)、テヘラン現代美術館(1977年創設)に焦点をあて、19世紀後半から現在に至るまでの文化政策とミュージアム成立史を概観し、イランにおいて文化外交の舞台としても機能してきたミュージアムの役割を論じた。現在は、「科学技術博物館と平和のパラドックス」と題して、主に現代イランのミュージアムにおける宗教と科学技術の展示についての研究を遂行している。

02 経歴

2022– 東京大学東京カレッジ特任助教

2022 東京大学大学院総合文化研究科 地域文化研究専攻 博士号取得

2020–立教大学グローバル・リベラルアーツ・プログラム(GLAP)非常勤講師

2020–2022 東京大学東京カレッジ特任研究員

2019 東京大学大学院総合文化研究科 地域文化研究専攻博士課程単位取得満期退学

2012–2014 日本学術振興会特別研究員 (DC2)

2010 ロンドン大学大学院東洋アフリカ研究所 中東政治学専攻 修士課程修了

2009 ロンドン大学東洋アフリカ研究所 法律学・社会科学部政治学科 卒業

03 研究業績

【著書】
寺田悠紀 文,羽田正 監,ヒロミチイト 絵.『輪切りで見える!パノラマ世界史5 変わりつづける世界』.大月書店.2015.

【事典・辞書】
寺田悠紀「12-17 コンテンポラリーアート」「12-18 現代美術館事情」鈴木董、近藤二郎、赤堀雅幸(編)『中東・オリエント文化事典』.丸善出版.2020. 

【分担執筆】
Terada, Y., Exhibitions of Art in Iran and the Tehran Museum of Contemporary Art. Ji Meng and Atsuko Ukai (eds.). Translation, History and Arts: New Horizons in Asian Interdisciplinary Humanities Research. P199. pp89-109. Cambridge Scholars Publishing. 2013.

【雑誌記事・その他】
Terada, Y., Jackson Pollock: A Centennial Retrospective. Art Tomorrow. No.7 Winter, 2012.

Terada, Y., Review: Arab Express. Art Asia Pacific. Issue 80. Sept/Oct. 2012.

寺田悠紀.評論.イラン:展示される「イスラーム革命」-35年を経た今.ASAHI中東マガジン.2014.4.29.配信.(http://middleeast.asahi.com/report/2014042700003.html)

【主な口頭発表】

“Depicting Cultural Encounters in Japanese Puppet TV Shows: A Case Study of Arabian Nights in Pop-up Gourd Island” [日本テレビ人形劇『ひょっこりひょうたん島―アラビアンナイトの巻』に見る多文化交流] Association for Asian Studies (AAS). ボストン(アメリカ). 2023.3.17.

“Identities through the lens of puppetry – A report from Iran” [人形から読み解くアイデンティティ—イランからの報告] ゲーテ・インスティトゥート東京主催#Metttafestival – Who are we on social media? BUoY. 2022.10.2. 

“Visualizing the ‘World’ in Museums: Case Studies from Iran”. [ミュージアムにおける「世界」の可視化—イランの事例を中心に] Global History Collaborative Workshop at Freie Universität Berlin. ベルリン自由大学(ドイツ).2015.10.5. 

“Representations of distinct yet overlapping cultures in national museums in Asia”. [アジアの国立博物館における重なり合う文化の表象] Workshop on East Asia in World History: Dialectics between the National and the Global. 日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究S「ユーラシアの近代と新しい世界史叙述」とベルリン自由大学のグローバル・ヒストリー講座の共催.ベルリン自由大学(ドイツ).2013.6.21.

“Reconsidering Categories in World History: Towards Overcoming the Self-Other Binary”. [世界史のカテゴリーの再考―自と他の二項対立克服を目指して] Graduate Student Workshop at Princeton University: Symposium on World History and Worlds Together, Worlds Apart. プリンストン大学(アメリカ).2013.12.19.

“Evolution of the Cultural Spaces- The case of Tehran Museum of Contemporary Art in Iran”. [文化的空間の展開―テヘラン現代美術館の事例を中心に] Todai-Fudai Doctoral Students Forum-New Trends of Humanistic Studies.復旦大学文史研究院(中国).2013.3.15.

 “The Evolution of Cultural Spaces in Iran: The case of the Tehran Museum of Contemporary Art”. [イランにおける文化的空間の展開―テヘラン現代美術館の事例を中心に] マギル大学インド洋世界センター主催スピーカーシリーズ.マギル大学(カナダ).2013.2.19.

「美術館建設とアイデンティティ形成の諸問題;カタールとアラブ首長国連邦の事例を中心に」.早稲田大学高等研究所主催国際セミナー東方アジアにおけるイスラーム美術.早稲田大学高等研究所.2013.1.12.

“Reflections on the Museum in Iran since the 1960s –Behind the History of Visual Culture”. [1960年以降のイランにおけるミュージアム研究―視覚文化史の背景にあるもの] 第2回アジア世界史学会国際会議.梨花女子大学校(韓国).2012.4.28.


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