本来の専門は、16世紀のヨーロッパ人の日本到着とそれに続く社会文化変容の研究ですが、近年は歴史学が一般社会に対して、どのように研究成果を還元できるのかという方法論の構築とその実践に関心があります。人文学分野の研究が、それが高度な研究や分析であるというだけで価値を認められる時代はすでに終わったと考えています。今やAIが古文書を解読しうる時代になりつつある中で、歴史学者は何のために、誰のために歴史を研究するのか、もう一度自らの存在意義を再考する必要があると考えています。日本においては地方自治体の歴史観光推進への協力、豊かな歴史文化財やその研究を生かした歴史教育マテリアルのデジタルコンテンツの作成などに今後取り組む予定です。海外の大学でもいくつかのグローバル・ヒストリーの共同研究に参加しています。
2019年4月 東京大学大学院情報学環に流動
2018年4月 リスボン大学客員研究員(2018年9月まで)
2016年11月 東京大学史料編纂所准教授
2005年1月 リスボン新大学客員研究員(2008年2月まで)/日本学術振興会海外特別研究員
2003年4月 東京大学史料編纂所助手(助教)
2003年3月 京都大学大学院人間環境学研究科博士課程修了
単著書
『商人と宣教師 南蛮貿易の世界』東京大学出版会、2010
The Namban Trade-merchants and missionaries in 16th and 17th century Japan. Leiden & Boston: Brill, 2021.
共著書
『大航海時代の日本人奴隷 アジア・新大陸・ヨーロッパ』中公叢書、2017(共著者ルシオ・デ・ソウザ)
『増補新版 大航海時代の日本人奴隷 アジア・新大陸・ヨーロッパ』中公選書、2021(共著者ルシオ・デ・ソウザ)
単編著書
War and Trade in Maritime East Asia. Palgrave Macmillan, 2022 (forthcoming)
共編著書
A Maritime History of East Asia. Kyoto University Press & Trans Pacific Press, 2019 (co- edition with Masashi Haneda) .
外国語翻訳書
「대항해 시대의 일본인 노예 증보 신판」 이한국에서 출판되었습니다
번역가 선생님, 감사합니다. (『大航海時代の日本人奴隷 アジア・新大陸・ヨーロッパ』の韓国語版)、2021年
主要論文
「統一政権とキリシタン」『岩波講座 日本歴史』近世1、岩波書店、2017年
“Domesticating Christianity in Japan: Kirishitan & Buddhism.” Cambridge History of Japan vol.1, Cambridge University Press, 2022 (forthcoming).
2011年 第4回 文人俱楽部大賞(大阪大学外国語学部同窓会)
2012年 第17回 ロドリゲス通事賞(在日本ポルトガル大使館)
2021年 Prémio Fundação Oriente (The Orient Foundation) 2021